企業の感染対策コラム

号外2 排泄物にも注意しよう! 新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症が拡大しており、中国で流行しているだけではなく、様々な国や地域でも患者の発生が確認されています。日本でも人から人への感染が確認され、また、症状が無い人からもウイルスが検出されました。新型コロナウイルスは、呼吸器の病気を 起こすので、咳に対しての感染対策に目が向きがちですが、下痢や嘔吐の症状も見られているため、排泄物からの感染にも注意が必要です。日頃から通常の感染対策(手洗い・うがい・咳エチケット・人の手が触れるところの消毒など)を徹底しましょう。

株式会社 健康予防政策機構 代表・医師 岩﨑 惠美子

排泄物にも注意!

SARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)やMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)は、感染者の便からウイルスが検出されています。1,2) SARSでは消化器症状を伴う例も多く見られることから、糞口感染が主体ではないかとの議論もされていました。3) 今回の新型コロナウイルス感染症でも嘔吐や下痢の症状が確認されています。多くの感染症の病原体は排泄物に排出されますが、新型コロナウイルスは、まだ明らかになっていないことが多いため、排泄物からの感染にも注意しましょう。

トイレ

環境を清潔にしよう!

ウイルスは人の手を介して汚染を広げていくため、手洗い・手指消毒は感染対策の基本ですが、多くの人が頻繁に触れる箇所を清掃・除菌し、環境を清潔に保つことも効果的です。アルコール製剤や次亜塩素酸ナトリウム等が有効です。

トイレの清掃・除菌すべき箇所、人の手がよく触れる箇所

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PROFILE

株式会社健康予防政策機構

代表 岩﨑 惠美子

岩﨑先生新潟大学医学部卒業後、耳鼻咽喉科医師を経て、インド、タイ、パラグアイで医療活動を行う。1998年より、厚生労働省、成田空港検疫所、企画調整官仙台検疫所長を歴任。その後、WHOの要請でウガンダ現地にてエボラ出血熱の診療・調査に従事。またSARS発生時には日本代表として世界会議に出席。2007年からは仙台市副市長に就任。インフルエンザ対策として「仙台方式」を提唱し、日本の新型インフルエンザ対策の基盤を構築する。現在は、感染症対策のプロとして、新型インフルエンザをはじめとする感染症対策の啓発活動を行っている。


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