企業の感染対策コラム

No.19 ウィズコロナ時代の感染対策とは

ー変異株とワクチンについてー

海外で発生した新型コロナウイルスの変異株が国内においても発見され、メディアで話題となっています。
また、私たちへのワクチン接種はもう少し先ですが、医療従事者への接種が始まりました。今回は、関心が高い新型コロナウイルスの変異株とワクチン接種についてお伝えいたします。

株式会社 健康予防政策機構 代表・医師 岩﨑 惠美子

Q1

変異株とは、今までの新型コロナウイルスとどう違うのですか?
対策は異なりますか?

ウイルスは、感染した細胞の中で自らのコピーを作って増殖していきます。遺伝子をコピーするときに、間違ってコピーされると遺伝情報が変化したウイルスが作られてしまいます。そして、遺伝情報が変化したことにより、ウイルスが新しい性質を持った場合を変異株と言います。ウイルスは変異株が出現するものであり、流行の規模が大きければ、それだけ変異株も多く出現していくものです。
現在問題となっているものは、イギリス、南アフリカ、ブラジルの変異株ですが、いずれにしてもコロナウイルスであるため、対策はこれまでと全く同じです。

遺伝子のコピーミスにより新しい性質を持つことがある
感染対策はこれまでと同じ

Q2

新型コロナウイルスのワクチンは受けた方がよいですか?

新型コロナウイルスのワクチンを接種することで、新型コロナウイルスに対する免疫ができます。免疫ができると、新型コロナウイルス感染症に、かかりにくくなったり、かかっても症状が軽くすみ、重症化を防ぐ効果があります。ワクチンは、かからないために接種するものではありません。
ワクチン接種が行なわれると、免疫を持った人が増え、その地域での流行が抑えられます。世界各国でワクチン接種が行なわれ、世界中での流行発生が減ります。すなわち、流行を抑えるためにも、ワクチン接種は大切です。

ワクチン接種は自分の健康を守る社会全体の健康を守る
動画で学ぶ感染対策

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PROFILE

株式会社健康予防政策機構

代表 岩﨑 惠美子

岩﨑先生新潟大学医学部卒業後、耳鼻咽喉科医師を経て、インド、タイ、パラグアイで医療活動を行う。1998年より、厚生労働省、成田空港検疫所、企画調整官仙台検疫所長を歴任。その後、WHOの要請でウガンダ現地にてエボラ出血熱の診療・調査に従事。またSARS発生時には日本代表として世界会議に出席。2007年からは仙台市副市長に就任。インフルエンザ対策として「仙台方式」を提唱し、日本の新型インフルエンザ対策の基盤を構築する。現在は、感染症対策のプロとして、新型インフルエンザをはじめとする感染症対策の啓発活動を行っている。


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