企業の感染対策コラム

No.15 国際イベントに備えて②

— 昨今のインフルエンザ発生動向は変わってきた? —

ラグビーのワールドカップでは日本中が盛り上がりましたが、この時期、今シーズンは例年より早くインフルエンザが流行していました。インフルエンザウイルスは、勝手に国内に侵入し、病気を起こすのではなく、感染者によって持ち込まれるため、人の動きによって感染症の発生動向は変わっていくものです。
今回は、「国際イベントに備えて」と題した4回シリーズの2回目として、これから流行のピークを迎えるインフルエンザの発生動向や予防対策をお伝えしていきます。正しい知識を身につけ、流行シーズンに備えましょう。

株式会社 健康予防政策機構 代表・医師 岩﨑 惠美子

Q&A

Q1

昨今のインフルエンザの流行は早いのですか?それは、なぜですか?

今年は9月から学校で学級閉鎖や学年閉鎖等が相次ぎ、流行シーズン入りを発表する自治体も見られました。
特に沖縄県では夏休み明けから患者報告数が急増し、9月にインフルエンザ警報が発令されました。インフルエンザは例年12~3月頃に流行し、1~2月にピークを迎えます。近年、流行シーズン入りは11月の終わりから12月に発表されています。グラフより、今年の発生状況は、第31週(7月29日~8月4日)から増加し、第37週(9月9~15日)には1.17となり、流行開始の目安とされている「1.00」を上回りましたが、沖縄県が突出して多く、全国の値を押し上げていたため(沖縄県を除くと0.58)、厚生労働省より流行入りしたという判断はなされませんでした。
その後、沖縄県の報告数減少と共に減少傾向となりましたが、第43週(10月21~27日)から再び増加し、2019年第45週(11月4~10日)に1.03となり、11月15日に厚生労働省より、全国的なインフルエンザの流行シーズンに入ったことが発表されました。これは、例年よりも早い時期の流行シーズン入りで、1999年に統計を取り始めてから、新型インフルエンザの流行があった2009年の次に早いです。

インフルエンザの定点医療機関当たりの患者報告数
インフルエンザの定点医療機関当たりの患者報告数

北半球にある日本の夏季は、南半球ではインフルエンザの流行シーズンである冬季にあたります。グローバル化により、渡航する機会も増え、特に夏休みには多くの人々が海外旅行に行きますし、国際的なイベント開催も要因の一つとなり、南半球の国々や、そこからウイルスが広がった東南アジアで感染した人が国内にインフルエンザウイルスを持ち込み、流行を起こす可能性があると考えられています。グローバル化が進んだ現代社会により、これからの日本のインフルエンザ流行状況は、従来の冬季の流行前に、流行のピークが見られるという動向になってくる可能性が考えられます。

Q2

インフルエンザにかからないためには、どうすればよいですか?

インフルエンザウイルスは、鼻とのどの間(上咽頭)の粘膜で増えるので、感染者の鼻水、くしゃみに出てきます。
そのため、鼻をかんだ手には、ティッシュペーパーを通してウイルスが付着したり、くしゃみでウイルスが周囲に飛散します。飛散したウイルスに触れたり、患者の手に付いたウイルスに触れた手で、鼻や口に触れて、インフルエンザに感染します。

インフルエンザは、自分の手でウイルスを拾い、それを鼻、口などへ運んで、かかってしまうことが多いので、一番有効な手段は、手に付いたウイルスを手洗いや手指消毒で除くことです。また、人の手がよく触れる箇所をこまめに掃除し、清潔に保つようにしましょう。
うがいは、のどの粘膜に十分な潤いを補給し、空気が乾燥して気道粘膜の働きが弱まることを防ぎます。
インフルエンザ対策として、手洗い・手指消毒と、うがいを励行しましょう。

Q3

長期間設置されたままのアルコール消毒薬に効果はあるのでしょうか?

開封後は、使用条件や保管環境による影響が異なるため、各々の安定性を保証することは困難です。開封後は、早めに使用しましょう。未開封での使用期限は2年から3年ですので、2年や3年に1回の取り換えや買い換えをお勧めします。
使用期限を気にするだけではなく、適切に使用されていれば、期限内に使い切ることは可能であると考えられます。手指消毒の励行にも努めましょう。

未開封での使用期限の目安
未開封での使用期限の目安
未開封での使用期限の目安

10年前の新型インフルエンザが流行した際に、パブリックスペースの出入り口に手指消毒剤を設置し、今もそのまま設置されている施設を多く見かけますが、使用したい時にすぐに使える場所にも設置しましょう。アルコール手指消毒薬は、外から施設内等に入る時はもちろん、不特定多数の人に接したり、多くの人が集まる場所で仕事をされる方々に使用していただきたいです。身近に置き、手が洗えない場合の応急措置として、ぜひ手指消毒をしてください。手指消毒をすることは、自分自身を感染から守るために、また、感染拡大防止につながります。

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PROFILE

株式会社健康予防政策機構

代表 岩﨑 惠美子

岩﨑先生新潟大学医学部卒業後、耳鼻咽喉科医師を経て、インド、タイ、パラグアイで医療活動を行う。1998年より、厚生労働省、成田空港検疫所、企画調整官仙台検疫所長を歴任。その後、WHOの要請でウガンダ現地にてエボラ出血熱の診療・調査に従事。またSARS発生時には日本代表として世界会議に出席。2007年からは仙台市副市長に就任。インフルエンザ対策として「仙台方式」を提唱し、日本の新型インフルエンザ対策の基盤を構築する。現在は、感染症対策のプロとして、新型インフルエンザをはじめとする感染症対策の啓発活動を行っている。

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