News & Report

Case

鮮℃ニッポンvol.13

コールドチェーンを通じて、産地と消費者の橋渡しを応援します。

「高品質・Everyday Low Price」を経営方針に掲げ、ディスカウント・スーパーマーケット を展開する「オーケー」の水産部門現場を訪問。

オーケー株式会社

アニサキス対策として、急速凍結 を活用し、天然魚の刺身をご提供

  • オーケー株式会社
    生産本部 水産チーフバイヤー
    大庭 大輔 氏
 

※2024年7月時点

創業以来成長を続け、1都3県に155店舗(2024年8月現在)を展開するディスカウント・スーパーマーケットを運営するオーケー株式会社。2024年11月下旬には関西第1号店の高井田店(東大阪市)を出店予定です。

天然魚の冷凍活用で他社との差別化が可能に

水産部門で液体急速凍結を導入したきっかけ

アニサキスによる食中毒の国内発生事例が増加傾向にあった2019年頃より、当社では天然魚の生魚販売を中止し、養殖魚の刺身と冷凍処理されたメーカー品に販売を絞る方針を採っています。鮮魚売場のメインである刺身売場を活性化させるため、天然魚の刺身の販売を再開したいという強い想いがあり、液体急速凍結であれば、アニサキス問題を解消しながら鮮度を落とすことなく販売することが可能になると考えました。-30℃のアルコールで凍結した魚は身が引き締まり、凍結前のクオリティを維持するため、刺身を販売する上で最適な凍結手段です。導入にあたって、センターを設けることはコスト面からも難しいため、まずは1店舗から試験的に導入を開始しました。2024年7月現在、16店舗に導入されており、それらの店舗では天然魚の刺身を販売しています。




ラピッドフリーザーを活用することでのメリット


急速凍結機を店舗内に設置し、市場から仕入れた鮮魚を店内で加工しています。当初は100V仕様の小型機で運用を開始しましたが、容量が小さく少量ずつでの冷凍になることや液温上昇により連続使用ができないため、生産効率がよい200V仕様のラピッドフリーザーを導入しました。三枚おろしにしてから真空包装し、急速凍結した後、24時間以上冷凍保存してアニサキスを死滅させ、翌日以降に解凍し、刺身用にカットして販売するという工程です。ラピッドフリーザーの作業は特に難しくなく、誰でも簡単に運用しています。また、急速凍結の活用によって、魚価の変動がある中でも安い時期にまとめて仕入れて冷凍保管運用を行うことで、商品の安定供給と価格を比較的安定させることができるようになりました。急速凍結された魚は、解凍しても見栄えや味が良く、生の刺身と比べても遜色がないことから、高品質な天然魚の刺身を販売することができるようになりました。




お客様からの反応もよく、リピーターに繋がっています


店舗での天然魚の刺身は、急速凍結コーナーを設け、季節や店舗の売れ行きを鑑みて常時6~8種類を販売しています。商品が充実したことによって鮮魚売場全体の鮮度感が向上し、売上は好調に推移しています。意外だったことは、元々アジやイカなど大衆魚の刺身が売れることは予想していたものの、ミズダコの刺身が好評であることです。急速凍結したミズダコは通常の冷凍時の水っぽさを感じることがなく、甘みが増し、食感も冷凍前の状態を維持しています。蒸しダコを販売しているお店が大半の中で、ミズダコを刺身として販売している店舗が少なく、その希少性も相まって好評を得ています。実際に急速凍結を施した刺身を一度購入した方がその美味しさを実感し、リピーターに繋がってます。




今後もお客様へ高付加価値な商品を提供


地舗での天然魚の急速凍結は、仕入れやお店の状況等によって全店舗で運用することは難しいと感じています。そのため、産地での急速凍結加工など流通方法の開拓が必要です。魚の凍結には液体急速凍結が最善であり、店内加工と仕入れを組み合わせて最適な手段を模索しながら、急速凍結による刺身の販売店舗を増やしていきたいと考えています。天然魚の刺身を販売することで、売り場の品揃えが充実し、鮮魚コーナー全体のイメージアップにも繋がっています。今後も当社の強みとして、安全かつ美味しさの付加価値をお客様に提供していきたいと考えています。





事業紹介




事業内容 ディスカウント・センター及びディスカウント・スーパーマーケットの経営
本社所在地 〒220-8755 神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-6
資本金 28億6,882万円
設立 1967年
URL https://ok-corporation.jp/