News & Report
Case
Vol.7
コールドチェーンを通じて、産地と消費者の橋渡しを応援します。
学生の食生活を中心に幅広く生活のサポートをしている名古屋大学消費生活協同組合の冷凍弁当や食堂での提供メニューの製造現場を訪問
鮮℃ニッポン Vol.7
名古屋大学消費生活協同組合
時代の変化にあわせて学生の食生活をサポート
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専務理事補佐
河野 純子氏
※2022年5月時点
名古屋大学消費生活協同組合は大学内の福利厚生施設として全方位から支援事業を行っています。
学生に、美味しく栄養バランスのとれた食事を
大学内で冷凍事業を始めたきっかけは?
私たちは名古屋大学で学生への支援事業として、食堂や売店・カフェなどの福利厚生施設を運営しているのですが、コロナ禍の影響により学生が登校できなくなり、大学内の食堂8店舗の内、7店舗が2カ月完全閉店するなど、これまで当たり前に来てもらえていた環境が一変しました。そのような状況の中で学生の食生活についてアンケートを行ったところ、特に下宿生の食生活がかなり乱れていることを知り、食堂に来てもらえなくてもなんとか食の支援ができないか?という思いが、冷凍事業を始めた一番のきっかけです。また、大学側より留学生に対してのハラル食対応も依頼されており、ハラル対応のセントラルキッチン化を検討していたことも決め手となりました。学生が少しずつ登校できるようになった中で、食堂ではコロナ対策で席数を半分程度に減らさざるを得なかったため、一人でも多くの組合員の方に食事提供ができるようにテイクアウトを強化することになりました。当初は、通常のお弁当の販売をスタートしましたが、賞味期限が製造から4時間と短いため、昼のみの提供しかできませんでした。そこで朝晩の食もサポートできるよう冷凍運用に挑戦することにしました。液体急速凍結のラピッドフリーザーで凍結した食品は、緩慢凍結と比較すると品質や味に大きな差があり、冷凍とは思えないクオリティだったので、ラピットフリーザーの導入を決めました。
どのようにラピッドフリーザーを運用されていますか。
製造基幹店舗(食堂)にて各食堂やカフェの運用を効率化するための冷凍惣菜と物販用の冷凍弁当・冷凍丼を製造し、大学内の食堂や購買へ配送し提供しています。当初は冷凍弁当ではなく冷凍惣菜としての提供を想定し、試作を繰り返していましたが、たまたま冷凍保管していたお弁当の試作品を解凍して食べてみたところ、手軽ですごく美味しかったので「これだ!」と思い、冷凍弁当を販売することに決めました。現在は購買で"冷凍弁当・冷凍丼の販売"と食堂やカフェにて必要分を解凍し提供する"冷凍惣菜の提供"の二本立てで運用しています。
シュットマンとラピッドフリーザーを選ばれた理由は?
容器を選ぶ上で、液体凍結の場合耐寒素材に加えて、容器ごとに包装する必要があるため、包装のしやすさを重視しました。冷凍効率が落ちないよう、容器と袋を密着しながら包装するには、容器が柔らかいと包装する際に潰れてしまったり、透明のフタであれば割れてしまうリスクがあります。また、大学生協で課題としている環境に配慮した容器選定やコスト面にも考慮しなければならず、選定するのに難航しました。包装資材商社の折兼様よりそれらの条件に合う様々な容器や包装袋をご提案していただき、試行錯誤を繰り返しながら、比較的強度があり環境に配慮した耐寒・耐熱素材の容器を選びました。
学生からの反応はいかがですか?
冷凍弁当がスタートしてからは、じわじわ学生に認知され、リピーターが増えてきました。現在は冷凍弁当と冷凍丼をそれぞれ週に150個前後を製造していますが、すぐに売り切れてしまい、製造が追いつかない状況です。また、ホット弁当の場合、衛生面から温蔵しなければならず、温め続けることで味が変化してしまいます。ラピッドフリーザーで凍結した冷凍弁当はレンジで温めるだけで出来たての味を再現できるので、便利で美味しいといったお褒めの言葉を多くいただいています。今後の課題として、食材の組合せや配置など電子レンジで起こる解凍ムラの改善など、より美味しく提供できるよう取り組んでいきたいと思います。
今後冷凍事業はどうなると思いますか?
学生からするとテイクアウトに、それほど抵抗はなく、いつでも、手軽に美味しいものが食べられる冷凍弁当は今後も定着していくと思います。基幹食堂は、冷凍弁当や冷凍惣菜、ハラル食を調理・冷凍し各施設へ配送するセントラルキッチンとしての運用も機能しています。人員確保が難しい中、冷凍弁当の需要も高まってきているので、より効率的な運用が求められています。また、大学内で運営しているカフェなどでは、客数が見込めない中でも全メニューの調理をしなければならず、廃棄ロスが発生してしまうことがネックとなっていました。事前に調理し、冷凍保管しておき、オーダー分のみを解凍・調理して提供するクックフリーズ運用をすることで、食材のコントロールができるようになり、以前と比べて廃棄ロス率の改善だけでなく、従業員の働き方も改善しました。今後は、さらに供給が追い付いていない冷凍弁当の増産体制を整えたり、現在、対応しきれていない朝食や土日の食事提供など、学生の食生活を全面的にサポートできるよう、今後も冷凍を活用した事業を発展し続けていきたいと思います。
事業のご紹介
名古屋大学生協は、大学内外での勉学・研究、日々の生活を支えています。
勉学、研究のためのPCや書籍・文具、公務員講座や海外語学留学などのキャリア支援、心身の健康を支援する食・住まい・共済と大学構成員の生活を様々な事業でサポートしています。
〒464-0814
愛知県名古屋市千種区不老町
https://www.nucoop.jp/
名古屋大学消費生活協同組合
設立 | 1952年創立、1961年2月「消費生活協同組合法」にもとづき法人格取得 |
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資本金 | 約4億414万円(2021年2月末) |
事業部門 | 食堂部・購買部・旅行サービス・書籍部・印刷部・共済 |
職員数 | 社員398名(バイト、パート含む)2021年2月末時点 |
所在地 | 愛知県名古屋市千種区不老町 名古屋大学内 TEL:052-781-1111 |
※2022年5月時点