News & Report
Case
Vol.3
コールドチェーンを通じて、産地と消費者の橋渡しを応援します。
大阪市此花区西九条で魚卸しから加工・小売りまで幅広い水産加工業を行なっている、株式会社九里の現場に訪問
株式会社
九里
鮮魚の仲卸業から加工業にも展開
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代表者
九里 貴彦 氏
※2019年1月時点
大阪の中央卸売市場で鮮魚仲卸を15年、独立起業からは10年経過し、魚屋さんとして25年従事されています。鮮魚卸売業に加え、冷凍加工品の流通にも取り組み、平成29年に新たに加工場を開設し、衛生管理の向上と細かい顧客要望に答えられるよう整備されました。
お客様に合わせた魚の流通方法を目指して
納入先にはどういったお客様がいらっしゃいますか?
国内ではスーパーやホテル旅館などの宿泊施設、飲食業、病院や介護施設、一部は海外にも出荷しています。鮮魚卸売業と加工を行っていますので、鮮魚をそのままお届けする先や、冷凍魚を冷凍流通するものや鮮魚を冷凍保管し加工を加えて再度、冷凍してから流通するものなど、納品形態もさまざまです。アニサキスや衛生的な観点からも低温流通を希望されるお客様が増えてきていますので、買いつけた魚をラピッドフリーザーで鮮度まるごと凍結し、低温流通することもあります。特に近年は海外からの需要が増えており、シンガポール、香港、タイなどの東南アジアを中心に鮮魚やみそ漬けなどの加工品の注文も増えてきております。
ラピッドフリーザーで凍結する魚種はどういったものでしょうか?
旬の魚がとれる時期ごとに凍結する魚種は変わります。当社ではオリジナル商品の化学調味料無添加甘鯛の味噌漬けという商品がありますが、例えば、甘鯛は秋から12月くらいまでが主な流通時期ですが、それ以外の時期では市場に出回らず価格が高騰してしまいます。しかし、漁期に冷凍保存しておけば、注文に応じて甘鯛の味噌漬け商品に加工し出荷ができます。このように旬の魚を安く購入保管することで、弊社としても商品の取り扱いの幅が広がりますし、お客様にも適正価格でご提供できます。
試してみる価値を実感
ラピッドフリーザーを選んだ理由は何でしょうか?
導入以前から、これからの魚の保存・流通には凍結技術は欠かせないと考えていました。さまざまな凍結機械メーカーから情報を入手し、テストもさせていただいた結果、液体凍結が一番導入に適していると感じました。機械本体の価格、処理量、サイズなど、さまざまな要因はありますが、導入ハードルが比較的低い割に凍結結果が伴っている点で選びました。
他にはどういった魚を凍結していますか?
液体凍結は真空包装をすることができれば、どんな魚でも凍結することができます。特に白身魚は一般的な凍結の魚と比べ、差が顕著に出ます。そのため、鯛や鱈などは、お客様からの要望も多いです。当社は鮮魚や泳ぎ魚のお届けはもちろん、ご要望によって加工を行っていました。ラピッドフリーザーを導入することにより、お客様への提案の幅が広がるだけでなく、食材ロスにもつながると喜ばれております。単純に冷凍するのではなく、一次加工したものを良い状態で凍結し商品を提供することが、今後、生き残るのに必要だと思っております。
今後、凍結品でやってみたいことはありますか?
ラピッドフリーザーを使用した冷凍品の開発を進めていきたいと思っております。まずは、白子などの魚卵の凍結実験をやってみたいと思います。また、近年人手不足のため、キット商品の展開を冷凍を活用しながら進めていきたいと思います。あとは、衛生管理方法をより高度にして、アメリカやヨーロッパへの輸出もしたいです。アメリカに渡った知人の料理人が数名いますが、良い魚を仕入れるのが難しいと相談されます。実際にラピッドフリーザーで凍結した魚を見てもらったところ、是非ほしいと言われていますが、会社体制が整っていないため、輸出は今後の目標としております。今後はアメリカへの輸出に向けて衛生管理の支援もサラヤさんにご協力いただければと考えております。
商品のご紹介
旬の美味しさで季節を感じさせる魚を全国から世界へ...
株式会社 九里
所在地 | 大阪府大阪市此花区西九条1-36-8 |
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資本金 | 1千万円 |
事業内容 | 水産卸・加工 |
従業員数 | 14名(バイト含む) |
設立 | 平成19年2月23日 |
※2019年1月時点