衛生管理ガイド

見てみて読んでみて知っておく情報

使い捨て手袋(衛生手袋)

食中毒の多くは、食品取扱者の手を介した二次汚染によるもので、食品を汚染させないためには使い捨て手袋の使用が欠かせません。しかし、手袋の使い方を誤ったり、着用していることを過信したりすることで、手袋が汚染源となる食中毒が発生する可能性があります。使い捨て手袋を正しく使って、効果的な食中毒対策を行いましょう。

着用する目的

  • 手の汚染を食品に付けない(調理済み、生食の食品等)
  • 食品の汚染を手に付けない(肉、魚、卵等)

どんな時に使う?― 使い捨て手袋の着用・交換の目安 ―

手袋の着用・交換のタイミングは、業態によって取り扱う食品や作業内容が異なるため、一概に同じタイミングとは言えませんが、衛生的手洗いを行うタイミングと同様と考えられています。作業内容と作業の変わり目がひとつの目安になります。

  • 手荒れ・傷がある場合は必ず着用
  • 作業開始前に着用
  • 微生物の汚染源となるおそれのある食品等に触れる前後
    (生の食肉類、魚介類、卵など)に着用
  • 生のまま提供する食材や調理済み食品を扱う前
    (後工程で加熱工程のないもの)に着用・交換
  • トイレ使用後は交換
  • 汚染作業区域から非汚染作業区域に移動する場合は交換
  • 破れたときは交換

使い捨て手袋を着用する作業例

後に加熱工程のないものは、注意が必要です。

適切な取り扱いポイント

選び方
  • 食品に直接触れる手袋は、食品衛生法の器具類に該当するため、規格基準(材質試験・溶出試験)に適合しているものを使用する。
  • 手のサイズに合ったものを選ぶ。
    (サイズが合わないと作業がしづらいだけではなく、大きいと指先の余った部分を切断して異物混入の原因になったり、小さいと着用時に引っ張って破れの原因となる。)
使い方
  • 破れや汚れ等の異常がないか確認する。
  • 手袋着用前には(交換時も)、必ず衛生的手洗いを実施する。
    (手袋を着ける際に手指が汚れていると、手袋の表面を汚染させてしまい、手袋を介して汚染を広げてしまう。)
    手指の汚れが手袋表面(特に指先や手首)を汚染します。
  • 手袋の使い回し(再使用)はしない。
  • 長時間着用せず、定期的に交換する。

    (長時間着用すると手に細菌(黄色ブドウ球菌等)汚染があった場合は手袋の中で増殖し、手袋にピンホールやシール不良があれば汚染を広げてしまうおそれがある。手袋表面にも菌が付着すれば増殖の可能性がある。)

    手袋交換
  • 異物混入防止のため、作業中は定期的に目視で破損等を確認する。
    万一破れに気づいた場合は、必ず申し出を行い、作業を中止して破損した手袋を探し出す。

着脱のポイント

着けるとき

手袋の表面をなるべく汚染させないように取り出し、手袋の手首部分をつかんで装着する。

手袋の手首部分をつかんで装着
外すとき

手袋を外すときは周辺の食品等を汚染させないように注意し、外した手袋は汚染されていると考え、放置せずに廃棄する。

関連ガイドライン

食品衛生法施行規則 別表17

7.食品又は添加物を取り扱う者の衛生管理

皮膚に外傷がある者を従事させる際には、当該部位を耐水性のある被覆材で覆うこと。

ト 食品等取扱者は、手袋を使用する場合は、原材料等に直接接触する部分が耐水性のある素材の物 を原則として使用すること。

リ 食品等取扱者は、用便又は生鮮の原材料若しくは加熱前の原材料を取り扱う作業を終えたときは、 十分に手指の洗浄及び消毒を行うこと。なお、使い捨て手袋を使用して生鮮の原材料又は加熱前の 原材料を取り扱う場合にあっては、作業後に手袋を交換すること。

大量調理施設衛生管理マニュアル

Ⅱ 重要管理事項 3.二次汚染の防止

(1) ~(略)なお、使い捨て手袋を使用する場合にも、原則として次に定める場合に交換を行うこと。

① 作業開始前及び用便後 ② 汚染作業区域から非汚染作業区域に移動する場合 ③ 食品に直接触れる作業にあたる直前 ④ 生の食肉類、魚介類、卵殻等微生物の汚染源となるおそれのある食品等に触れた後、他の食品や器具等に触れる場合 ⑤ 配膳の前

ヘ 洗浄剤、消毒剤その他化学物質については、取扱いに十分注意するとともに、必要に応じてそれらを入れる容器包装に内容物の名称を表示する等食品又は添加物への混入を防止すること。


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