衛生管理ガイド

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次亜塩素酸ナトリウム液

まな板やクロス等の調理器具類の殺菌・漂白や、野菜の殺菌等、食品衛生の分野で活用されている次亜塩素酸ナトリウム液。ノロウイルス対策にも用いられます。効果的に使用するため、特徴や効果を理解しておきましょう。

次亜塩素酸ナトリウム液とは

次亜塩素酸ナトリウム液は塩素系殺菌剤のひとつであり、食品製造の分野で食品添加物殺菌料として活用されています。大量調理施設衛生管理マニュアルにおいても「加熱せずに供する野菜の殺菌」や「調理機器の殺菌」での使用が記述されています。
 殺菌力が強く、取り扱いも簡便であるため、食品製造現場でも多用されていますが、注意しなければ効果が減少してしまったり、危険が生じたりすることがあります。

注意すべき点

①使用時、手袋を着用する

液剤による手荒れ等に配慮し、使用時には必ず手袋を着用しましょう。原液が皮ふに付着した場合は、すぐに洗い流しましょう。

手袋を着用する

②酸性洗剤と混ぜない

酸性の洗剤(特にトイレ洗浄剤等の強酸性のもの)と混ぜると、有毒ガスが発生するため、混ぜて使わないでください。

まぜるな危険

③材質への影響

次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果は強力な酸化力によるものであり、その酸化力の強さから、材質によっては対象物を腐食させます。特に金属製品はサビたり変色したりすることがあるため、注意が必要です。金属への使用は避けるか、使用した場合はしっかりと水で洗い流しましょう。

メラミン食器にはNG

メラミン樹脂で作られたメラミン食器は丈夫で割れにくいため、給食や食堂等で広く使用されています。このメラミン食器に次亜塩素酸ナトリウム液を使用すると、化学反応を起こして食器が黄ばみ、表面が劣化します。メラミン食器に次亜塩素酸ナトリウムは使用できません。代わりに酸素系漂白剤を使用します。

④有機物(汚れ)の影響

汚れなど有機物が存在していると、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力の元である有効塩素がそれら有機物と反応して消費されるため、殺菌力が低下します。 汚れがある場合は、あらかじめ洗剤で洗浄して汚れを除去してから、次亜塩素酸ナトリウム液を使用しましょう。また、次亜塩素酸ナトリウム液を希釈する容器も、清潔な容器を使用しましょう。

汚れたまな板

⑤時間経過・日光・熱からの影響

次亜塩素酸ナトリウムは、空気、熱、光などに対して不安定で、有効塩素が分解されてしまい殺菌力が低下します。

  • 使用時に必要量の希釈液を作る。(作り置きをしない。)
  • 日光、特に紫外線で分解が進むため、保管場所に注意する。
  • 熱による影響もあるため、高温になる場所での保管はしない。

※使用前に希釈液の塩素濃度測定をしましょう。

使用濃度と希釈の方法について

流通している次亜塩素酸ナトリウム液(原液)は、濃度5~6%または10~12%のものが一般的です。使用時には、この原液を目的に応じた濃度(ppmという単位で示されていることが多い)に希釈します。

希釈濃度例)
野菜の殺菌 200ppm、100ppm / 調理器具の殺菌 200ppm
ノロウイルス対策の環境清浄 200ppm / 嘔吐物の処理 1,000ppm

ppm(ピーピーエム)ってなに?

%と同じように、濃度をあらわす単位です。ppmは100万分の1、 %は100分の1の意味で、1%をppmであらわすと10,000ppmになります。

希釈倍率はどうやって計算するの?

次亜塩素酸ナトリウム液原液の%と目的の濃度から計算します。

例)原液6%の次亜塩素酸ナトリウム液を200ppmにしたい場合
 原液6%=60,000ppmなので、60,000ppm÷200ppm=300倍
300倍に希釈すればよいことがわかります。

いつでも正しい希釈濃度で使用できるよう、水容量と原液量を示したマニュアルを準備しておくと便利です。


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