洗剤と化学熱傷 ー危険性が理解できていますかー
現場で使用している洗剤等で「やけど」をすることがある、ということ知っていますか。注意が必要な洗剤類とその危険性を説明します。
化学熱傷とは
化学熱傷とは酸、アルカリ、有機溶剤などの化学物質が皮ふや眼に触れた際、その物質の化学反応によって、皮ふや粘膜がやけどをしたような状態になるものです。特殊な化学物質によって引き起こされるものと感じてしまうかもしれませんが、日常的に使用するアルカリ性の油汚れ用洗浄剤や殺菌漂白剤などでも発生する危険性があります。
洗剤等による化学熱傷は、皮ふに付着した時には刺激が少ないため、化学物質が皮ふに付いたことに気付かない、または気付いても危険性を理解していないために軽く考えて放置してしまうことが多いのです。一度付いた化学物質は少しずつ皮ふに浸透し、翌日になってやけどに気付く、ということが珍しくありません。
食品取り扱い現場と化学熱傷
食品を取り扱う現場では、熱機器周辺の汚れ除去や食品の殺菌、まな板の漂白などを目的として、アルカリ性の油汚れ用洗浄剤や殺菌漂白剤が広く使用されています。
しかし、
- パート、アルバイトなど人の入れ替わりが多い
- 大ケガをするような作業をする職場ではないという誤った認識
から、化学熱傷のリスクを正しく理解できていない場合も多くみられます。
注意すること
危険性の理解
アルカリ性の油汚れ用洗浄剤や殺菌漂白剤は、皮ふについたまま放置すると化学熱傷を引き起こす危険性があるということを理解しましょう。また、現場のリスクを減らすため使用する洗剤をより安全性の高いものに変更することも検討ください。
保護具の着用
アルカリ性などの液に触れる可能性がある場合は、保護手袋や保護メガネなど保護具を着用しましょう。(現場の作業に応じて適切な保護具を選定してください。)
体にかかった場合、放置せず直ちに処置
体にかかったら大量の水で洗い流すなど、すぐに処置を行いましょう。作業着にかかってしまったら、作業着を着替えてください(液がかかったまま放置しない)。
応急処置後、責任者に報告し判断を仰ぎ、医師の診断を受ける場合は該当の洗剤またはSDSを持参してください。