vol.9 東京ベイ潮見プリンスホテル
上質で快適な、くつろぎの空間を提供するために。「プリンスホテル」の感染対策
東京ベイ潮見プリンスホテル様の施設概要を教えてください。
当ホテルは、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営するホテルブランド「Prince Hotel」の1つで、2020年9月1日に開業しました。かつて江戸時代に四宿と呼ばれ賑わいを見せた宿場町をイメージし、現代における「水辺の宿場町」をコンセプトにデザインされました。館内は船を彷彿とさせる滑車のアイアンワークや鮮やかなアートに彩られた空間が広がっています。そして、ここ潮見は、東京駅・舞浜駅に程近く、また陸・海・空の交通アクセスについても、今後さらなる発展が期待されています。
観光立国としてインバウンドのお客様の受け入れの拡充、これまでプリンスホテルがカバーしきれていなかった東京駅周辺のビジネスのお客様、東京ビッグサイトや東京アクアティクスセンターなど周辺施設を利用されるお客様へアプローチすべく、運営を行っています。現在従業員数は、正社員61名、パート・アルバイト27名の計88名で、海外からのお客様にも安心して滞在していただけるよう、8カ国18名のスタッフが在籍しております。身も心もくつろぎ、新しい1日を迎えられるよういつも旅のそばに寄り添い続けるホテルを目指しています。
ホテル運営をする中で基本となる、従業員様の感染対策について教えてください。
季節性のインフルエンザなど一般的な感染症はもちろんですが、食の安全・安心を守るために、ノロウイルス等の感染性食中毒への対策には特に注力しなければなりません。取り組みとしては、感染対策の基本である日々の手洗いやうがい、日々の「就業前健康チェック」の他、毎月の検便は当然ながら、ノロウイルスの感染が多い冬期間はスクリーニング検査を実施しています。また、本人や家族に嘔吐や下痢の症状があった場合には、家を出る前に上長へ必ず連絡したうえで一旦自宅待機とし、感染性食中毒の疑いがないか検査を行い、陰性の確認をしなければ出社できないよう徹底しています。
コロナ禍において強化した対策などはありますか?
まずは「外からウイルスを持ち込まない」ということが重要ですので、これまで以上に従業員入り口での手洗い・うがい・手指消毒の徹底を再度呼びかけました。当ホテルのスタッフだけでなく、出入りする協力企業の方にも同じ意識を持って実施してもらえるよう、注意喚起を行いました。手洗いは、冬場になると水が冷たく、おろそかになりがちなため、正しい手洗いができるようお湯が出るように設定しています。加えて体温計も設置し、万一発熱の疑いがある場合は、職場へ移動せずにその場で管理部門または職場へ連絡し、上長の判断を仰ぐようにしております。また、従業員食堂では黙食を促すとともに各テーブルにアルコールを設置し、使用後は各自で消毒しています。その他、お客様に関しても、入り口での手指消毒やマスクの着用、発熱等の症状のある方には利用を控えていただくなどの対応をお願いしてきましたが、今年3月から新型コロナウイルス感染症対策が変わったことを受け、レストランにおけるパーテーション設置や手袋、トングの使用方法など、一部ではありますが、緩和された動きもあります。今後も政府等の方針に従い、安心してご利用いただけるよう、情勢に合わせて対応してまいります。
対策を徹底するためにどのような従業員教育をされていますか?
入社時における講習会をはじめ、教育動画や資料の配信など、管理部門が中心となり、衛生管理や感染対策の知識を周知するよう努めています。教育をする上で、一番伝えたいことは、「自分を守ることが家族や仲間を守ること、そのことが結果的に会社を守ることにつながる」ということです。今後も一人ひとりがきちんと感染症対策を励行できるよう、その重要性を伝え、支援していきたいと思います。
弊社の手洗い器やうがい器を開業当初より導入いただいていますが、使用状況はいかがでしょうか?
現在、従業員入り口については、3台ずつ設置しています。順番待ちをすることなくスムーズに使用できるので、後ろで待つ人を気にして手洗いや手指消毒が中途半端になったり、焦ってうがいをし忘れるということも防げているように思います。
また、うがいについては接客をする際、口臭を気にするスタッフも多くおりましたので、感染対策と同時に手軽に口腔ケアができるよう、新たに各トイレにもボトルタイプのうがい薬を設置しました。口腔内の健康を保つことは、全身の健康にも繋がりますので、健康経営の取り組みの一つとしても、非常にプラスであると考えています。
従業員様の健康管理として、その他にどのような取り組みをされていますか?
定期健康診断結果に基づく二次検診の促進をはじめ、メンタル面ではストレスチェックの実施などを行っています。いずれも産業医と管理部門が連携しながら早期に対応できるよう努めています。近年は心の健康の重要性を痛感していますので、心身ともに健康で、気持ちよく働ける職場づくりが重要であると考えています。そのためにも労働時間に関する改善は、意識して取り組んでいく必要があると考えております。
長時間労働は健康被害に繋がりかねませんし、プライベートを充実させることが難しくなり、結果仕事のパフォーマンス低下に繋がるかもしれません。業務内容や人員配置の見直し、仕事が属人的にならずに互いに助け合える環境をつくれるよう、サポートしていきたいと思います。
他にも、タウンホールミーティングでの「他部署とのコミュニケーションを取りたい」という声をもとに、Employee Satisfaction(従業員満足度)向上の一環として全従業員を対象にボウリング大会を開催しました。トライアル段階ではありますが、スキルや年齢に関わらず、誰でも楽しめるスポーツを通し、コミュニケーションが増え、職場環境の改善やチームビルディングにも良い影響が出るのではと期待しています。
最後に今後の課題や展望についてお聞かせください。
新型コロナの流行により、スタッフ一人ひとりの感染対策に関する意識は、これまで以上に高まったように感じています。収束の兆しが見え始めましたが、新たな変異株や別の感染症の流行など、再びこのような状況になったとしても対応できるよう、コロナ禍の教訓を活かして今後も備えていきたいと思います。また、現在当ホテルでも清掃ロボットを導入するなど、DX化が進んでいますが、我々が大切にしていることは、「人と人との触れ合いや繋がり」です。ホテルにとって何が必要で最善であるかを見極め、今後もお客様に満足いただける、よりよいサービスをお届けしてまいります。
インタビューご回答者
左)コミュニケーションズ ディレクター(CS推進 兼 広報) 尾崎 愛様
右)管理 ディレクター 石岡 猛様
企業プロフィール
企業名:株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド
施設名:東京ベイ潮見プリンスホテル
開業日:2020年9月1日
所在地:東京都江東区潮見2-8-16
延床面積:約33,400㎡
客室数:全605室