企業レポート

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vol.10 日産自動車株式会社

安心して働ける環境を目指して「日産自動車株式会社」の感染対策・健康管理


日産自動車株式会社様の企業概要を教えてください。

1933年に自動車製造株式会社として横浜に設立し、今年で90周年を迎えます。「他がやらぬことをやる」という創業精神のもと、革新的な商品・技術の開発に取り組んできました。国内の主な事業所には、横浜・追浜・栃木・いわきの4工場をはじめ、テクニカルセンター(R&D)、部品センター、専用埠頭などがあります。ここグローバル本社は、事業全体の統括を行っており、約3000人の従業員が在籍しています。気候変動や高齢化など様々な社会の変化に対応すべく、2021年11月に発表した「Nissan Ambition 2030」を指針とし、よりクリーンで、安全で、インクルーシブな世界の実現を目指しています。


新型コロナの流行を振り返って、これまでの対策についてお聞かせください。

日産自動車安全衛生基本方針の「働く仲間の安全と健康は全てに優先する」ことを第一に、社内の安全健康管理推進(安健組織)が中心となり、会社としてのコロナ対策を構築し、従業員とそのご家族の罹患を防げるよう対応してきました。本社ビルにおいては、手指消毒やマスク着用などの個人衛生はもちろん、エントランスの人流を分けたり、換気量に応じた会議室使用人数の算出、オフィスデスクや食堂テーブルにパーテーションの設置、什器類の清拭などを徹底しました。また、これまで育児や介護以外の従業員が積極的に使用する状況ではなかった在宅勤務の活用も呼びかけました。これらの基本的な対策を周知徹底する方法の一つとして、ガイドブックを発行し、従業員へ配布しています。他にも感染= 悪といった社会的風潮もありましたので、感染者報告のハードルが下がるよう丁寧な対応を心がけ、情報をきちんと収集できるような体制を整えたり、イベント業務時には、必要となる対策の指導や抗原検査キットの配布など、様々な課題に対して細やかにサポートし続けてきました。このような地道な活動が、より多くの従業員に対して、コロナ対策の必要性と理解を促進させることにつながったのだと思います。コロナ禍を振り返ってみると、流行初期にはマスクや手指消毒剤などの対策用品が入手できず、苦労したこともたくさんありましたが、社内クラスターを一件も出すことなく乗り切ることができたのは、対策に対して従業員が協力的で、一緒に丁寧に実行してくれた結果であると感じています。

5類感染症に移行後も、感染対策を続ける理由をお聞かせください。

基本の感染対策を “ 日常” として取り入れる、それに必要な対策用品を備えておくことで、会社のリスクを低減できることを学んだからです。メーカーとして生産工場を止めるわけにはいきません。クラスターの発生は大きなリスクとなりますので、基本的な対策を継続しつつ、今後も市中や社内の罹患状況を鑑みて対策内容を検討していく予定です。そのような折、新たにサラヤさんの自動手指消毒器プロテゲートを本社のエントランスに導入しました。ノータッチで衛生的かつ適正量のアルコールで消毒ができるなど、ユーザビリティはもちろんですが、デザイン面においても、弊社の考える“ 日常” の対策推進に非常にマッチした商品ですので、今後も手指消毒励行の継続に役立ってくれることを期待しています。



感染対策以外に従業員の皆様に対し、健康づくりに関して取り組まれていることはありますか?

弊社では、組織分析を活用したメンタルヘルスケアに力を入れており、部下のメンタルコントロールを担う管理監督者のサポートなどを行っています。コロナ流行後には、メンタル不調者の増進傾向が見られました。これまで潜在的にあったものが、生活様式の変化などによって表面化したのかもしれません。また、若い従業員のメンタルケアは課題の一つなので、継続して取り組んでいきたいと考えています。フィジカル面においては、健康保険組合が検診などの法令に基づいた対応を、弊部では会社内の具体的な課題解決に向け、がん検診再診の勧奨や、肥満者に対する運動面のサポートなど各事業所の健康経営担当者とコミュニケーションを取りながら行っています。最近では、食事面のサポートとして食堂メニューの強化をしました。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進と連携し、他社サービスも利用しながら取り組んでいます。これは女性に特化せず、近年関心が高まっている男性更年期に関する啓発に繋げるなど従業員に働きやすい環境を整えていきたいと考えています。



最後に今後の課題や展望についてお聞かせください。

病気や疾病に関して一人でも困っている人がいるならば、その人に寄り添うこと、つまりはリスクのある方、弱者を守るための整備を行うことが大切だと考えています。コロナ禍におけるマスクを例にとっても、着用したい人もいれば、不要と考える人もいます。ダイバーシティ同様、皆が安心して働いてもらえるよう、それぞれの考えを尊重し、共存できる環境づくりが必要であることをコロナ禍を通して学ぶことができました。今後もこの経験を活かして、感染対策・健康管理に向き合っていきたいと思います。


インタビューご回答者


  • 人事本部 安全健康管理部
    野中 由美 様

企業プロフィール

設立:昭和8年12月26日
本社所在地:神奈川県横浜市西区高島一丁目1番1号
URL:https://www.nissan-global.com/JP/


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