リスクに備える

海外渡航における感染対策

近年、企業の海外進出は増加の一途を辿り、海外に在留する邦人は130万人を超えています。グローバルな事業を展開する企業において、貴重な経営資源である従業員の健康を守るためにも「感染対策」は必要不可欠です。
外国では、日本にはない感染症が発生しています。また、海外渡航は気候の違いなどから、自覚していなくても様々なストレスを受けるため、体の抵抗力が落ち、感染症などの病気にかかりやすくなります。

渡航前・渡航中の基本予防策

  • 渡航先の感染症情報、医療情報を事前に確認し、必要に応じて予防接種を行いましょう。
  • 予防接種の種類によっては、数回(2~3回)接種するものもあります。海外出発日よりできれば3ヶ月以上前から、医療機関や検疫所で接種するワクチンの種類と接種日程の相談をしてください。
  • 手洗い、うがいを心がけましょう。手洗いができない場合に備えて、アルコール手指消毒剤などを持参しましょう。
  • 生水、氷、カットフルーツを食べることは避けましょう。
  • 食事は十分火の通ったものを食べましょう。
  • 蚊、ダニに刺されないように、虫よけ剤を使うなどしましょう。
  • 動物は狂犬病、MERSや鳥インフルエンザなどのウイルスをもっていることがあるので、むやみに触らないようにしましょう。
  • 薬物やゆきずりの性交渉で感染し、一生の後悔をすることのない行動をとりましょう。
引用:厚生労働省検疫所 FORTH 海外で健康に過ごすために

渡航後に注意すべき症状

(1)発熱

海外から帰ってきてから発熱することは多く、特に発展途上国から帰ってきた人では2〜3%にみられると言われています。発熱の多くは感染症によって生じ、自然におさまることもありますが、マラリア、特に熱帯熱マラリアは急速に悪化することがあります。
マラリアの流行地域(流行地域地図)に滞在し始めてから、6日以上たって発熱がみられ始めた場合、ただちに診断のために検査を受けてください。マラリアと診断された場合には、すぐに治療を開始しなければなりません。予防薬を飲んでいてもマラリアにかかる場合があります。

(2)長引く下痢

海外に行った人の半数以上の人が渡航先で下痢になります。たいていの下痢は数日でおさまることが多いのですが、帰国してからも下痢の症状がおさまらない場合があります。症状が長引く場合には、寄生虫による感染症を考える必要があります。特に、ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)やアメーバ赤痢といった病気に注意しなければなりません。通常の抗生物質は効かず、放置すると内臓に大きな障害をきたすことがありますので、検便検査などの検査を早めに受ける必要があります。また、抗生物質を長く飲んでいると、腸内にみられる細菌の種類が変わり下痢が止まらなくなることがあります。

(3)皮膚の異常

皮膚の異常は、ウイルスや細菌による全身の感染に伴って異常が起こることもあれば、寄生虫、細菌、真菌(カビ)などが局所に感染して起こることもあります。渡航後、特に熱帯・亜熱帯に渡航後、皮膚の異常が続く場合には、必ず医療機関を受診してください。

引用:厚生労働省検疫所 FORTH 海外で健康に過ごすために

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