導入事例
俺の株式会社
ホテル京阪

俺の株式会社

設立2012年11月1日
本社所在地〒104-0061
東京都中央区銀座8-3-10
トミタビル7階
店舗数国内44店舗(2019年12月)
ホームページhttps://www.oreno.co.jp/
  • 俺のBakery 総料理長
    遠藤 雄二 氏

企業概要をお聞かせください。

当社は「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」など「俺の」シリーズでさまざまな飲食店を運営する企業で、高品質でハイコストパフォーマンスの料理を提供することを強みに事業を展開しております。経営理念には「飲食事業を通じての地域社会への貢献」と「全従業員の物心両面の幸福の追求」を掲げています。1号店の出店からは8年が経過し国内44店舗、従業員数は1,000名を超える規模になってきていますので、地域社会への貢献とスタッフの幸福のためにも、会社の成長に合わせた衛生管理の強化が必要だと捉えています。

どうして衛生の強化が必要なのでしょうか?

会社の規模が大きくなるにつれて、世間の方の見る目も厳しくなってきていると感じています。創業当初はお客様へ還元するという新しいビジネスモデルが注目されて、もてはやされていた部分が大きかったと思います。店舗が増え、さらに注目度も上がっていくなかで、お客様からの見る目の変化や要求事項も増えて来ていますので、今まで以上に衛生管理は疎かにできないと思っています。

温度管理画面

HACCPの取り組みはされていますか?

HACCPに基づく衛生管理を実施している施設として、都が認証する東京都食品衛生自主管理認証制度に取り組んでいます。取り組みレベル4段階の3つ目にあたる2ndステージまでクリアしており、認証取得まであと一歩となっています。現在は先日の監査でご指摘いただいた、不足部分の改善に取り組んでいて、特に記録の部分で加熱時の食品の中心温度や冷蔵庫冷凍庫の温度、飲食業ではあまり馴染みのない使用水のチェックなども毎日徹底して記録管理しています。オリンピックも近くなってきて、海外の方もたくさんお見えになるので、外部の方から見てもご認識していただける東京都の認証は、取得していた方がいいと思っています。

冷凍庫温度測定

様々なブランドの中から俺のBakeryから取り組まれたのはどうしてでしょうか?

俺のBakeryでは持ち帰りすることを前提で料理を作らなければならないのと、プロの料理人の管理のもとでアルバイトの方にも調理に従事してもらいますので、衛生意識の強化や社員の指導、マネジメントも必要になります。また、パン職人の人材育成をシステム化することにも取り組んでいて、他の業態に比べて製造過程をシステム化しやすいという点もあります。俺のフレンチなどのレストラン業態では、厨房内は基本的にプロの料理人だけで構成されていますので、俺のBakeryでできれば、他へも展開しやすいからです。

加熱温度測定

認証制度に取り組まれて現場に変化はありましたか?

衛生意識を根付かせるために、細かく指導するようにしていますので、特に各種チェック項目の記録の習慣がついたと同時に、手洗いや清掃等、全般的に衛生意識がボトムアップしたと感じています。ただ、アナログな対応やチェック項目の多さから、どうしても現場スタッフの業務負担は増えてしまいます。

それで自動温度管理システムGRASPHACCPを導入いただいたのですね?

そうです。少しでもスタッフの負担を減らしたかったのが一番の理由です。それと今の時代に記録用紙がどんどん増えてしまう事と、その紙を管理しなければならない事に無駄を感じていました。また、自動で記録されるので記入漏れがなくなりますし、冷蔵庫冷凍庫を閉めたつもりでいた時に、温度上昇をアラームで教えてくれるので、食材廃棄のリスクもなくなります。こういった面からも、やはり人を介するアナログ作業よりも、システム化された記録の方が証明としても、信用してもらいやすいと感じています。記録状況も携帯やパソコンから簡単に確認できて、紙の保管も気にしなくていいのですごくラクです。費用面では増えてしまいますが、これからの飲食店経営を考えたときに、必要性は十分あると感じています。もっと機能を強化して衛生管理を自動化、一元管理化できるようになってほしいですね。

都認証取得に取り組むうえでのポイントは何でしょうか?

まずは会社全体でがやろうとする姿勢を持ち、本社と現場に担当者を置く事だと思います。そして、一部の人だけで行うのではなく、本部と現場が常に連携をとりながら、熱意をもって取り組むことが大切だと思います。具体的には、都からの認証取得の要求事項に対して、本部で受けとめ、その内容を現場の人間に咀嚼して説明し、記録等の実施すべき事項の指示や資料の作成、アップデートまでを行う。現場はそれを確実に実行し、実施した内容はきちっと集計して報告するなど、本社と現場で信頼関係のもと一つずつ確実に進めていくことだと思います。でなければ継続は難しいですし、現場の全ての従業員までは絶対に落ちていかないと思います。

今後の取り組みについて教えてください。

まずは俺のBakeryの基幹店であるこのお店で、東京都認証を取得することです。その後にイタリアンやフレンチなどの違う業態でも認証取得を目指していきたいと考えています。それが会社としてお客様へ安心・安全な食事を提供している信頼の証になりますし、必ずお店にもプラスに働いていきます。これからも「俺のさんだったら、安心して食べられるね」というお言葉に応え続けていかなければならないと思っています。