株式会社マムハートホールディングス(株式会社マルイ)
設立 | 2018年3月(1931年2月) |
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本社所在地 | 岡山県津山市上河原209-4 |
店舗数 | 47店舗(23店舗) |
ホームページ | 株式会社マムハートホールディングス https://mh-hd.co.jp/ |
株式会社マルイ https://www.maruilife.co.jp/ |
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経営企画室/SDGs推進室
課長
神田 一幸 氏 -
販売部
スーパーバイザー
武田 真二 氏
企業概要をお聞かせください。
当社は1931年に岡山県津山市で「マルイ食料品店」として創業しました。現在はスーパーマーケット「マルイ」をはじめとした47店舗をマムハートホールディングスとして運営しております。1955年に西日本で初めて「セルフサービス方式」を導入。1982年には惣菜の集中生産システム、今で言うセントラルキッチン方式での提供を開始(現在はグループ企業の株式会社ハートデリカとして営業)。創業以来、変わらない「うまいものなら何でもマルイ」の精神で、地域との「絆」を大切に中国地方で一番支持されるスーパーマーケットを目指し取り組んでいます。
HACCP取り組み前の店舗の衛生管理体制を教えてください。
HACCPに取り組む前は自社の「衛生管理規定集」を元に一般衛生管理で運用していました。本部から各店舗を巡回するなどチェック体制は整っていましたが、そもそも目指すべき姿、客観的評価尺度が共有化されておらず、正しい判断のもと効果的な指導もできていない問題がありました。そこでサラヤさんと共に「衛生管理規定集」を作り直して、衛生調査活動のご協力いただくようになりました。それから数年後には、もっと管理がしやすいようにGRASP-Sanitationを導入しました。調査結果を「見える化」することで店舗ごとの弱み強みを時系列で把握でき、的確な改善指導をすることで、現場の衛生意識の変化と共に確実に衛生レベルの向上に繋がっていきました。
店舗でのHACCPの取り組みはいつごろから始めましたか?
2020年2月に全店長を集めたキックオフ会議から店舗でのHACCP取り組みがスタートしました。弊社でのHACCPの取り組み自体は、冒頭にお話しました惣菜センターのハートデリカで、2004年新工場を設立する際に、日本惣菜協会様のHACCP高度化施設の認定を全国で3番目に受けたのがHACCP取り組みのスタートでした。また、2020年3月には新たにプロセスセンターを開設し、その際にもHACCP認証を取得しています。ですので、HACCPに関する知識の下地は持ち合わせていましたので、次はいよいよ店舗でのHACCPがスタートといった状況でした。
HACCP取り組みのポイントは何だったのでしょうか?
HACCPのような現場での取り組み事は、机上でルールだけ作って現場に持ち込むだけでは定着はしないので、現場が「実際に取り組み可能なルール」と「やり方」を現場と一緒になって作り上げていくことがポイントだろうと思っていました。そこでサラヤさんに全面協力いただいて、今までの「衛生管理規定集」をHACCPの要求事項に対応したものに再構築することにしました。現場の意見を取り入れるため、モデル店舗を2店舗選出し、店長だけでなく各部門のマネージャーにもプロジェクトに参画いただきました。具体的な進め方は管理項目毎に本部から案を提出し、店舗で生産性の面からも加味して本当に運用できるかを確認してもらいました。提出した案がダメだった場合は再度練り直し、それを繰り返しながら議論を重ね、できるだけシンプルなものを目指して、地道に作りあげていきました。当初はモデル店舗にサラヤさんと本部メンバーが集まって、実際に現場を確認しながら進めて行く予定だったのですが、コロナウイルスの流行時期だったので、毎月WEB会議で進めて行き、完成までに1年くらいかかりました。
構築後、運用面で問題はありましたか?
運用当初は定着に半年くらいはかかるかと思っていましたが、大きな問題もなく2か月目くらいからは想定以上にしっかり運用することができました。やはり現場で実行可能なルールかが重要だったなと改めて感じています。ただ、惣菜部門での揚げ物の中心温度測定については、紙とボールペンで記録を行うことが、作業者にとって生産性と異物混入の観点から、改善の声が多くあがってきましたので、サラヤさんのGRASP-HACCPの温度記録システムを導入することで改善し、更に人的ミスもなくすことができました。もう一つは、本部スタッフが店舗に行き指導する立場のメンバーが全ての衛生管理のルールについて知っているかと言われたら、そこはまだ弱いと感じています。このHACCPの取り組みは店舗での取り組みですが、店舗と本部が一体となってやっていかないと、現場のモチベーションにも影響すると痛感していまして、現在、本部内で「衛生管理規定集」の掲示や朝礼でのワンポイント勉強会を継続しています。
今後の取り組みについてお聞かせください。
マムハートホールディングスは地域との「絆」を大切に2021年に創立から90年を歩んでまいりました。「食育活動」「AI人材育成」など地域の産学連携での活動が、この度、岡山SDGsアワード2021を受賞いたしました。そして、次の100年に向けて、「食の専門家集団」「SDGs」「食育」「DX」この4つの成長軸を推進し、地域に新たな価値を生み出せる企業であり続けます。食に携わる企業として、これら活動のベースとなる食の安心・安全は欠かすことのできない大切な取り組みですので、引き続き衛生管理についても発展させていきたいと考えています。