鴻池運輸株式会社
設立 | 1945年5月30日 |
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本社所在地 | 〒540-0008 大阪市中央区伏見町4-3-9 |
ホームページ | https://www.konoike.net/ |
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所 長
川嶋 秀弥 氏 -
総 務
川本 良謙 氏
企業概要をお聞かせください。
弊社は大阪発祥の会社で創業130年を超える大阪に縁の深い会社です。事業としましては総合物流業で社名に運輸とついておりますが、実際は運ぶというよりはお 客さまの工 場 内に入り込み、生 産工程の請負から、国内外の物流サービスの請負までさまざまな事業を展開しております。その分野も鉄鋼、食品、メディカル、空港、生活関連など多岐にわたっており、それぞれのお客さまが抱える事業活動上の課題に対して、単純な運搬業務にとどまらず、弊社のノウハウを活用した総合的なサービスを提供しております。
今回、大阪木津市場内に食品加工場を建設されたのはどうしてでしょうか?
大阪木津市場は大阪港、関西国際空港にも近く、輸出に最適な立地にあり、また高 品 質な食 材の調達もできます。弊社では冷凍・冷蔵の食品事業を国内外で手掛けておりまして、商品の特性に応じた適切な温度帯での保管・配送業務があります。
この加工場の特徴はどういった点でしょうか?
本工場では主に魚介類の加工製造を予定しており、国内向けには調理済みの加工食品、海外向けには刺身など食材の輸出を行う予定です。特徴としては調理済み商品の製造に必要となる、切る・煮る・焼く・蒸すなどのさまざまな加熱ができる点があります。また、それら加工食品や生鮮の食材をパックして、そのまま高品質な冷凍が行えます。ですので、加熱から冷凍までワンストップでできる、魚介類の加工場としてはあまり類を見ない多機能な機能を有してる点です。さらに、極力人手をかけずに加工ができるよう、徹底的に機械化・自動化を進めている点も特徴のひとつです。
HACCPの認証取得も計画しているとお伺いしましたが?
国の方針でHACCPが制度化されますが、輸出の観点からも必要となっていますので2020年4月を目標にJFS-B規格の取得を目指しています。輸出先となる欧米ではHACCPが 必 須となりますし、アジアでは 香港、シンガポール、タイなどのお客さまからも「製造する工程はHACCPに対応した衛生管理で行ってほしい」と求められています。サラヤさんは日本の食品安全マネジメントのJFS規格の監査も可能とのことですので、各種マニュアルや食材検査など、一般衛生管理からHACCP導入まで全面的にサポートをお願いしたいと考えています。弊社としましても食品を取り扱う倉 庫業はこれまでも行っていましたので防虫防鼠やトラックの洗浄などある程度の知識はありますが、食品の製造加工では求められる内容が違いますので、そこはサラヤさんにご指導いただきながら構築できればと考えています。
温度管理システムGRASP-HACCPを導入したのはどうしてでしょうか?
HACCPを導入するにあたり、冷凍庫・冷蔵庫の温度管理の記録はかかせないものですが、温度の目視確認作業や帳票類の管理など手間のかかる作業ですので、24時間記録し事務所に居ながらパソコンでリアルタイムに確認できる温度管理システムは利便性と省力化の観点からも必須と捉えていました。元々、冷凍庫・冷蔵庫の温度管理には馴染みがあったのですが、HACCP導入に向けてサラヤさんには衛生に関するさまざまなサポートをしていただくうえで、衛生管理の一元化ができる仕組みをお持ちだと言う事でサラヤさんのGRASPHACCPを導入いたしました。
省力化と労働安全対策にも積極的だとか?
今や社会問題になっている人手不足による省力化対策は必須課題と捉え、機械による自動化を推進しています。商品開発の段階から機械で商品を製造できないかを検討し、商品開発を行っています。人手不足だけでなく、労働災害の観点からも負荷がかかる作業を機械で代替できるのであれば、できる限り機械の導入を進めています。また、作業品質の均一化にも繋がりますので非常に重要と捉えています。食品製造機械の洗浄・殺菌方法など衛生はサラヤさんの指導のもとHACCP導入を見据えて行っていき、労働安全に関しては、長年培ったさまざまなノウハウが弊社独自でもありますので、それら活かして運用しています。
今後の事業展開についてお聞かせください
我々もご縁があってお声がけいただいてから、何ができるのか模索していました。まだスタートして間もないですが 、たくさんの方からお話しを伺っていく中で、これから魚介類の加工品需要は伸びると思っています。会社も事業性と社会貢献があれば後押ししてくれます。また、大阪には他にも市場がありますので、ここで事業性を示して、木津市場だけでなく大々的に事業展開ができればと思っています。加工技術と鴻池運輸の培ってきた技術を組み合わせれば、もっと日本食を世界に広めて行くことに繋がると考えています。