導入事例
JA横浜
JA横浜

JA横浜

設立2003年4月
本社所在地横浜市旭区二俣川1-6-21
店舗数13店舗(2021年3月)
ホームページhttps://ja-yokohama.or.jp/
  • 販売部
    店舗事業推進課 課長
    小林 正剛 氏
  • 販売部
    店舗事業推進課
    吉川 都美 氏

企業概要をお聞かせください。

JA横浜は、「人と自然を大切にし、社会の発展と豊かな暮らしの実現に貢献する」という理念を掲げ、「みなさまから信頼され、地域から必要とされ、社会に誇れるJA」をスローガンとしています。横浜全域を活動エリアとし、組合員をはじめ地域の方々のお役に立てるよう、多岐にわたる事業に取り組んでいる農業協同組合です。戦後各地にできた農協が合併を繰り返し、平成15年に横浜一円の農協が合併してできたのが、JA横浜です。農業の発展に貢献する営農・生活・相談事業をはじめ、収益の大部分を締める金融・共済事業や生産資材の販売店舗の「メルカート」や農畜産物を販売する「ハマッ子」直売所を運営する経済事業があります。

「ハマッ子」直売所とはどういったお店でしょうか?

基本的に地産地消で、地元横浜の農家(出荷者)さんが作った農畜産物を販売することを目的にしたお店です。新鮮な農畜産物だけでなく、一部の店舗では隣接した加工場で製造した惣菜や漬物なども販売し、農業の6次産業化にも取り組んでいます。また、近年では品揃えの観点から、市場や他JAから仕入れた商品も販売しています。

HACCP取り組みのきっかけはなんでしょうか?

きっかけは食品衛生法の改正でした。衛生管理計画の整備から行う事になって、まずは衛生の観点で全てのお店を見て回りました。すると、数件のお店で手洗い設備の不備や汚れなどが目について、これは良くないと思い、サラヤさんに連絡してみる事にしました。初めは自動の手洗いディスペンサーなど備品の提供から始まって、現在の衛生管理状況など、色々と情報交換をさせていただくなかで、実はHACCPシステムの導入について困っていることをお伝えすると、HACCPの衛生サポートをご提案いただきました。社内でも私一人で全てを担う事の難しさと、食品衛生のプロの方に土台づくりから参画してもらった方がいいのではないか、という事でHACCPのサポートをお願いする事になりました。

HACCP取り組み前の衛生管理状況を教えてください

基本的なルールやチェックシートは整備されてはいたのですが、しっかりと運用されているとは言えない状況でした。店舗の職員やパートさんに衛生教育が十分には行き届いておらず、ただ決められている事だから、マニュアルに載っている事だからチェックシートに記録しているという意識でした。バックヤードには農家さんも出入りするので、しっかりとした土台から作り直して教育していかないとHACCP取り組みは難しい状況でした。

具体的にHACCPをどのように進めていきましたか?

当時は農産物直売所向けのHACCPの手引書がなかったので、スーパーマーケットの手引書を参考にするためにスーパーマーケット協会の講習会を受講し参考にしましたが、直売所の運営とは少し内容が異なっていて、どうしたらいいかサラヤさんに相談しました。すると、「現場に合った衛生管理計画や手順書を作らないと、現場の負担になるだけで、うまく機能しない可能性がある。」とのアドバイスをいただいて、サラヤさんと一緒に作っていくことになりました。まずは現状把握の為、改めてサラヤさんの衛生インストラクターの方と一緒に全店舗を回っていただき、ルールや汚染状況などを確認し問題点を洗い出しました。次にその問題点を解決するため、何を構築しなければならないのかを直売所のスタッフ目線で一緒に考えてくださいました。その考えた内容を、月1回の店長会議の後にHACCP研修会を実施して、店長たちに現実的に現場で運用可能かどうか、擦り合わせを繰り返し行って構築していきました。

HACCPを運用していく上で危惧していたことはなんでしょうか?

気になっていたのはお肉の温度管理です。荷受の冷蔵庫も店舗のショーケースも古い設備の物が多いので、故障による廃棄や農家さんの商品もダメにしてしまうと弁償になってしまうので、心配していました。そこでサラヤさんから冷機器の温度管理システムGRASP HACCPをご紹介いただき、導入することにしました。温度逸脱にはアラート機能で知らせてくれるのと、スマートフォンなどでどこからでも温度を確認でき、停電時や冷機器の故障時にも素早く対応できるようになりました。

HACCP運用を開始して変化はありましたか?

HACCPの運用開始から1年間を運用と検証の期間としてスタートしました。運用開始から約半年で1回目の衛生調査を実施し、その時は改善が必要な項目が相当数あり、改善に苦労した面もありましたが、運用開始から約1年となる2度目の衛生調査では、前回と比べて大きく改善され、運用成果が数字で現れるようになりました。また、店長からも、「今まで衛生管理はなんとなくやっていたところが正直あったけど、HACCP導入後はきちんと記録に残せるし、従業員に対してもマニュアルに沿って指導ができるようになった。」との声もあり、衛生意識の面でも変わったと実感しています。

次の取り組みについてお聞かせください。

今は一通りHACCPのカタチができたかなと思っていますので、今後はさらに周知徹底し運用を強化していきたいと思っています。そして職員の衛生知識のレベルをさらに上げて、農家さんにもGAPやHACCPなどの衛生情報を随時提供できるよう取り組みます。