イズミ・フード・サービス株式会社
| 設立 | 1996年9月11日 |
|---|---|
| 本社所在地 | 広島市西区商工センター2-3-1 |
| 店舗数 | 58店舗137ショップ(2025年11月現在) |
| ホームページ | https://www.izumi.co.jp/food/ |
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人事総務部
部長
武道 宏 氏 -
SV部
SV
栗栖 大周 氏
- 課題
- SVの衛生点検報告書作成および全店集計に時間を要している
【月間作業時間】
各店点検:1時間×137ショップ
全店集計:1日半~2日合計 150時間/月
- 良い点・悪い点を水平展開できていない
- チェックして終わりになっていて改善まで進められていない
- 効果
- 点検しながら入力するので報告書は現場完結
自動で集計・分析ができる
報告書作成・集計時間 0時間 - GRASP上で点検結果を見ることができ、水平展開が容易になり、全体で活かせる仕組みになった
- 改善シートやその進捗確認ができ、PDCAがしっかり回るようになった
食で笑顔をお届けするために
企業概要をお聞かせください。
中四国・九州を中心にスーパーマーケット・ショッピングセンター等を展開する株式会社イズミのグループ企業として、フードビジネス分野を担っております。大型商業施設「ゆめタウン」内に58店舗・137ショップを展開中です。主に、お好み焼きやイタリアンなどの直営店と、ミスタードーナツやサーティワンアイスクリームのフランチャイズ運営を柱に、7つの飲食店ブランドを展開しています。アルバイトを含め約2,200名の従業員が、食を通じて多くの方に笑顔を届けるため日々取り組んでいます。

貴社で取り組まれてきた食中毒対策や衛生管理についてお聞かせください。
HACCPを軸とした衛生管理を行い、消費期限管理や衛生管理、手洗い・身だしなみ等、基本の徹底を重視しています。そのチェック機能としてSV(スーパーバイザー)による点検があるという体制です。我々はお客様が口に入れる「食」を扱っていますので、「命に直結する」という意識をしっかり持つよう研修で繰り返し伝えています。
自主衛生点検、やってはいるけれど…のもどかしさ
店舗の衛生調査(点検)はどのようにされていますか。
親会社のイズミが、GMS(大型店)の飲食ショップに対してサラヤさんによる第三者衛生調査を導入しています。そのため、弊社でも大型のゆめタウン出店ショップは定期的にサラヤさんの衛生調査を受けています。しかし、中小規模店に出店しているショップは、SVによる自主衛生点検は行ってはいるものの、第三者調査が行き届いていません。大型店と中小店の衛生状態の差をなくすため、中小店に対してもサラヤさんの衛生調査を依頼しました。調査結果から「適切な衛生意識を持って見ることができているのか?」と、これまで点検していたSVの目線について、変えていく必要があるなと感じていたところです。
SVさんの自主衛生点検はどのように行われていたのですか。
毎月全ショップを対象に実施しています。SVがチェックリストで点検し、気になるところはスマホで撮影、Excelに画像含め結果を入力し報告書を作成、出力して提出します。その後、届いた全店分の報告書を確認して集計を行い、まとめたものを経営会議で毎月共有するという流れです。
集計には大きな労力がかかりますが、「会議報告して終わり」になってしまいがちで、良い点や改善点を把握しても、なかなか他店舗に展開できず改善確認までは至らないことも多くありました。「やっておいてください」と伝えるだけで終わることも多く、改善の仕組みとしては課題が残っていました。このような課題を解決するためにGRASP-sanitation自主衛生点検機能の導入を決めました。
効率化の効果だけでなく、点検時のコミュニケーションも充実
GRASP-sanitation自主衛生点検機能導入後、業務効率化や現場の変化はありましたか。
まず、点検業務の効率化の面で、かなりの効果が出ています。SVが報告書作成するのに約1時間×137ショップ、全体集計に1日半~2日ほど要していましたが、導入後は全体で月間約150時間の削減が実現できています。ショップ、全体集計に1日半~2日ほど要していましたが、導入後は全体で月間約150時間の削減が実現できています。

シンプルな画面操作で使いやすい
紙の報告書に目を通していた毎月の集計業務が無くなったことも大きな負担減となっています。会議ではGRASPの集計データを活用して議論することができるようになりましたし、全店の結果を見ることができるため現場間の水平展開が容易になり、「良い点・悪い点」を全体で活かせる仕組みに変わっています。

項目別達成率や店舗ランキング、前回比較もカンタン
導入前には、現場スタッフのITリテラシーの面で改善入力がスムーズにできるのかという不安はありました。SV自身も改善シートの進捗まで注視できていなかったこともあり、導入後しばらくは改善まで至らなかったのが正直なところです。しかし、「改善しなければ意味がない」とのトップからの大号令もあり、入力が進み始めたという経緯もあります。「チェック終了」から「改善報告終了」へとSVの責任範囲も広がり、PDCAがしっかり回るようになったことは大きな成果です。

報告書確認状況や改善進捗をすぐにチェックできる
また、導入後の点検時には、SVとスタッフがスマホ画面を見て確認するなど、点検内容に関するコミュニケーションが増えています。一方的な点検で終わらず、改善まで一緒に取り組む機会が増えたという良い変化も実感できています。

その場で点検結果を一緒に確認できる
さいごに、今後 衛生管理で目指す姿をお聞かせください。
今後は点検・改善の精度をより高めていきたいと考えています。最初にお話したように、大型店と中小店で差が出ないよう全社一体となって衛生向上を目指しています。そのため、第三者による衛生チェックと自主衛生点検を行うSVの目線を合わせていけるようにしたいです。
コロナ以降、お客様の衛生意識は大きく変化しました。特にフードコートはキッチンの様子がよく見えるため、清潔さがより重要になります。全スタッフが「店は常に清潔であるべき」との意識を持ち、アルバイトを含めて美味しさと安心をお客様へお届けできる体制を、これからも作り上げていきます。
