取材レポート

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Vol.2 「人財の安全」の安全を第一に現場に寄り添う熱中症対策

事業概要と工場の特徴について教えてください。

日産自動車九州株式会社は、1975年に福岡県苅田町で操業を開始し、2011年に日産自動車株式会社から独立会社化しました。敷地面積は約236万㎡(東京ドーム約51個分)に及び、同一敷地内には日産車体九州株式会社も所在しています。両社合計で約9,500人が働く国内有数の生産拠点です。当社は、「SERENA」「X-TRAIL」や海外向けの「ROGUE」などを生産し、日産グループのものづくりを支える重要な生産拠点としての役割を担っています。






熱中症対策の取り組みについて教えてください。


当社では、協力会社を含めた工場全体を安全健康管理課が統括し、各現場には安全健康担当係長を配置しています。約10年前から毎朝、睡眠・食事・体調を確認する健康チェックシートを活用し、現場の工長が従業員の体調変化を早期に把握できる体制を整えています。必要に応じて作業内容を調整するなど、一人ひとりの体調に寄り添った運用を続けることで、労働災害の未然防止につなげています。働く人を「人財」と捉え、安心して出社し、元気に帰宅できることを何よりも大切にしています。その考えのもと、水分・塩分補給や教育、設備改善などの対策を継続して実施してきました。また、かねてより熱中症対策に取り組んできましたが、国による対策強化の動きを受け、その取り組みを一層充実させています。単に管理者が把握するだけでなく、作業者一人ひとりの安全意識を高めるため、掲示物や情報共有ルート、展開資料を見直し、現場の末端まで確実に情報が届く仕組みづくりを進めています。


健康チェックシート




暑熱環境一元管理システム(指数計+Webシステム)を導入したきっかけは何でしょうか?


導入の目的は、暑熱環境を数値化し、リアルタイムで把握できる環境を整えることでした。当社では、工場ごとに給水タイムを設定していますが、建屋の構造や築年数、空調設備の状況によって暑熱環境は異なります。そのため、設定したタイミングが適切かを客観的に判断する指標が必要だと考えていました。以前はデータロガーで計測し、シーズン終了後にデータを回収してExcelで分析していました。しかし、データ整理に多くの工数がかかるうえ、リアルタイムな状況把握ができませんでした。指数計とWebシステムの導入で、各現場のWBGT値や温度・湿度をリアルタイムで遠隔確認できるようになりました。これにより、給水タイムの設定や必要な対応を検討するための客観的なデータを把握できる環境が整いました。当初は、水分・塩分補給や教育などソフト面の対策を担う安全健康管理課での活用を想定していましたが、リアルタイムデータを設備部門とも共有したことで、設備改善にも活用できるという新たな展開が生まれました。現在では、暑熱環境が悪化しているエリアや空調設定、風の流れなどを客観的に把握し、ハード面対策の検討・改善にも役立てています。


アセミルWebシステム



塩分補給製品の活用や、従業員への啓発面での工夫を教えてください。


現場では、水分と塩分を合わせて補給することの重要性を継続的に啓発しています。短時間で効率よく摂取できる、塩分含有量の高い匠の塩飴スーパーや匠の塩タブレットを採用したことで、現場でも手軽に取り入れられ、日常的な熱中症対策として定着しています。また、従業員が自ら体調管理を行えるよう、飲料購入補助などの支援も実施しています。こうした取り組みや日々の声掛けを積み重ねることで、職場全体で熱中症対策への意識が高まり、一人ひとりの主体的な行動につながっています。


塩飴・塩タブレットの設置


今後の課題や、さらなる熱中症対策への展望について教えてください。


現在は暑熱環境一元管理システムの運用を試行しながら進めています。今後は、屋外の気象データとの比較・分析を行い、建屋内の暑熱環境との関係性を把握することで、空調運用や遮熱対策の効果検証につなげていきたいと考えています。また、設備面の改善だけでなく、従業員一人ひとりの健康状態に応じた支援も重要な課題です。高血圧など塩分摂取に注意が必要な従業員に対しても、産業医と連携しながら今後の啓発や支援のあり方を検討していきます。年々厳しさを増す暑熱環境に対応するため、今後もデータを活用したハード・ソフト両面の取り組みを進化させ、現場に根差した熱中症対策を推進していきます。

貴重なお話、ありがとうございました。


アセミル発汗目安表示W2B2


アセミル発汗目安表示W2B2設置


インタビューご回答者


  • 人事・渉外部
    安全健康管理課 課長
    林田 一男 様

  • 人事・渉外部
    安全健康管理課
    矢永 正治 様

企業プロフィール



社名 日産自動車九州株式会社
事業内容 自動車および関連部品の製造・販売
設立 2011年(日産自動車株式会社より独立)
従業員数 約5,084名(2026年4月1日時点)
生産数 累計2,000万台突破
(1976年からの九州拠点全体累計生産数)

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