取材レポート

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Vol.1 現場の声を反映した熱中症対策と健康づくりの取り組み

会社概要について教えてください

 株式会社JALグランドサービスは、1957年3月1日に設立され、2025年で68年を迎えました。成田空港・羽田空港を拠点に、航空機の地上業務を中心としたサービスを提供しています。大阪・福岡・札幌・長崎にもグループ拠点を構え、職種によっては各地の空港への出向勤務も行っております。
 空港を支える重要なインフラ企業として、安全大前提の作業と常にお客さま視点に立ったサービスの提供を通じて、JALグループの一翼を担っています。



JALグランドサービス様の職場で、熱中症リスクの高い作業を教えてください

 当社社員の作業は主に空港の屋外で行われ、特に航空機の駐機場での積み下ろし作業は直射日光と地表熱の影響を強く受け、体感温度が40℃を超えることもあります。また、機内清掃においては、特に夜間駐機する機材において、時間帯によりエアコンが入っておらず、室温が上がるため、体調管理が欠かせません。こうした環境から、熱中症対策は毎年見直しが必要な重要な安全対策と捉えています。

現場での熱中症対策の取り組みについて教えてください

 対策は大きく分けて①物資の配布②環境整備③健康管理指導の3方向で行っています。
 物資面では、冷却用品や飲料、サラヤさんの塩分補給用「匠の塩飴」などを常備しています。屋外にポータブル冷蔵庫を設置し、常時冷たい飲料を補給できる環境を整えています。今年度に入ってからはファン付きベストも一部の所属に配備し始めました。一方で、昨年からはクールベストも配備しております。クールベストは保冷剤をメッシュのベストのポケットに複数装備するもので、構造がシンプルでコストも大幅に抑えられるため、費用対効果の面からも有効だと感じております。


従業員へ配布している冷却用品


 環境面では、作業現場にスポットクーラーや冷却ファンを導入し、休憩場所にはかき氷の提供などのリフレッシュ企画を実施。これらは部門発案で運営され、社員自らが職場環境の改善に取り組む好事例となっています。



尿の色での熱中症リスク啓発ポスターの設置


 健康管理指導では、産業医と連携し「睡眠・食事・飲酒の抑制」を軸とした注意喚起を継続的に実施。睡眠不足や朝食欠食の防止も熱中症対策に直結するため、ポスター掲示や個別相談を通じて意識改革を促しています。
 また、外国籍スタッフへの対応として、多言語資料やビジュアル訴求も強化。全社員が安全・健康に働ける環境づくりを推進しています。


配布していただいている弊社の塩飴の評判はいかがでしょうか?

 「匠の塩飴」は、サラヤさんから長年ご提供いただいている製品で、社員からの評価も非常に高いです。味にもバリエーションがあり、飽きずに摂取できるという声も多く、今では控室には欠かせないアイテムとなっています。


対策を実施・運用する上で気をつけていることはありますか?

 塩飴に限らず、一過性の対応にしない、毎年着実に改善・継続するための「仕組み」を整備しています。
 羽田・成田・地方空港を問わず、全現場に対して同一基準の熱中症対策を水平展開し、関連会社や委託先社員も含めて管理しているのもそのひとつです。
 また、在庫・補充の運用ルール化も行っており、飲料や飴などの備蓄・配布スケジュール、賞味期限管理などをマニュアル化し、抜け漏れを防止しています。
 こうした「仕組み化」によって、統一的かつ安定的な運用が継続できるようになっております。社員が熱中症の恐れがある際にもすぐに対応が取れるように、緊急時のフローや応急処置キットを備え付けております。


緊急時対応フローマニュアル


現状の課題と、今後の展望を教えてください


 これまでの熱中症対策は、水分や塩分の補給など、どうしても社員個人の自助努力に頼る部分が多くありました。しかし、近年の異常気象や多様化する労働環境を踏まえると、“個人任せ”ではなく、企業として個人の体調を把握・管理できる体制づくりが必要だと感じています。
 たとえば今後は、ウェアラブル端末などのデジタル技術を活用して、管理者が社員の異変にすぐに気づける仕組みを検討しています。こうしたツールを導入することで、早期の注意喚起や休憩指示といった“管理者”による予防行動”が可能になります。
 また、最近では、外国籍社員も多く在籍していることから、多言語により健康情報の発信や、啓発資料も文字ではなく写真や映像を用い、よりビジュアル的に構成し、誰もが理解・実践しやすいように工夫しております。

最後にサラヤへ今後期待するメッセージをお願いします

 今後も現場の声を反映した製品提案や、より一層効果的な熱中症予防アイテムの提供に期待しています。特に高品質で使いやすい商品、そして社員が喜ぶような工夫のある商品の開発にご協力いただければ幸いです。
 また、最新の知見を取り入れた情報提供も引き続きお願いしたいとの声が寄せられています。

本日は貴重なお話、ありがとうございました。



インタビューご回答者


  • 東京支店
    安全業務情報室
    部長
    伊傳 光一様

  • 東京支店
    総務部付
    安藤 雄二様

企業プロフィール



社名 株式会社JALグランドサービス
設立 1957年3月1日
資本金 1億円(株主 日本航空株式会社)

従業員数 約2,808名(2025年4月時点)
業務内容 各空港(成田/羽田/大阪/福岡/札幌/長崎)における地上サービスの提供

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