熱中症は企業にとって非常に身近なリスク⁉

  企業のリスクの1つとして定着した「熱中症」ですが、令和5年5月~9月の全国における熱中症による救急搬送人員数の累計は91,467人でした。これは、調査開始以降で過去最多となった平成30年の95,137人に迫り、過去2番目に多い搬送人員数となりました。昨年度同期間の救急搬送人員数71,029人と比べると20,438人増となっています。

 また、令和4年の職場での熱中症による年間の死傷者数(死亡者数と休業4日以上)は827人、うち死亡者数は30人で建設業や警備業で多く発生しています。

 作業場では、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を踏まえ、「初期症状の把握から緊急時対応までの体制整備」、「暑熱順化※が不足していると考えられる者の把握」、「WBGT値の実測とその結果を踏まえた対策の実施」を重点的に取り組んでください。

 熱中症は死に至る場合もありますが、適切な予防法で防ぐことが可能であり、発症した際も適切な処置をすることで軽症に抑えることができるということをしっかりと認識して、企業として熱中症対策や労働環境改善に努めましょう。

※暑熱環境下での作業に身体の体温調節や循環の機能が慣れていないこと。入職直後や夏季休暇明けの者は暑熱順化の不足が疑われ、熱中症の発症リスクが高い。
参考:総務省・消防庁「令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」
   厚生労働省「令和4年職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」

熱中症どんな人がなりやすい?

熱中症になりやすい人

熱中症における危険信号

熱中症の危険信号は、めまい吐き気、乾いた皮膚、意識の障害、高い体温、ズキンズキンとする頭痛