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衛生管理ガイド

食中毒の基礎知識

食中毒とは

食中毒は「食品に起因する胃腸炎・神経障害などの中毒症の総称」と定義されており、多くは、急性の胃腸障害(嘔吐、腹痛、下痢などの症状)をおこします。
食べ過ぎ・飲み過ぎでお腹が痛くなったり、下痢になることもありますが、これは食中毒とは言いません。食中毒は、有害な微生物や化学物質を含む飲食物を食べた結果生じる健康障害のことを指します。

じゃあ、いったい食中毒ってどれくらい発生しているの?

発生状況

平成28年 月別食中毒発生状況

食中毒といえば夏場に多いイメージがあるかもしれませんが、実際には、事件数・患者数ともに冬場に増える年が多く、年間を通じて発生しているといえます。冬場の患者数が非常に多いのは、感染力の強いノロウイルスによる食中毒が冬場に多く発生しているからだと考えられます。

平成28年 病因物質別食中毒発生状況 ワースト3

事件数 患者数
第1位
ノロウイルス 
354件
第1位
ノロウイルス 
11,397人
第2位
カンピロバクター 
339件
第2位
カンピロバクター 
3,272人
第3位
アニサキス 
124件
第3位
ウェルシュ菌 
1,411人

厚生労働省ホームページ:平成28年食中毒発生状況(H29 3/22確定値)より

いろいろ菌の名前が出てきたけれど、食中毒にもいろいろ種類があるのかな?

食中毒の分類

食中毒は、その原因になったもの(病因物質)によって、次のように分類されます。

食中毒 細菌性食中毒 感染型 サルモネラ属菌、腸炎ビブリオ、病原大腸菌、ウェルシュ菌、エルシニア・エンテロコリチカ、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ など
毒素型 黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌(嘔吐型) など
ウイルス性
食中毒
ノロウイルス、A型肝炎ウイルス など
寄生虫
食中毒
クドア、サルコシスティス、アニサキス、クリプトスポリジウム、サイクロスポラ など
化学性食中毒 水銀、ヒ素、ヒスタミン など
自然毒食中毒 動物性 フグ毒、貝毒 など
植物性 毒キノコ、ジャガイモの芽 など

種類ごとにどういった違いがあるんだろう?説明を読んで勉強しておこう。

細菌性食中毒について

「感染型」と「毒素型」

食中毒菌に汚染された食品を食べることで発症する食中毒を、細菌性食中毒と言いますが、発症の機序の違いによって「感染型」と「毒素型」に分類されます。
「感染型」は、食品内で一定菌数以上に増殖した原因菌を摂取し、腸管内で感染することによって発症します。
「毒素型」は、食品内で原因菌が増殖する際に毒素を産生し、その毒素を食品とともに摂取することによって発症します。
また、摂取した菌が腸管内で増殖する際に毒素を産生し、その毒素が原因で発症するタイプ(ウェルシュ菌や腸管出血性大腸菌)を「生体内毒素型」と分類する場合もあります。

食中毒菌が増殖する条件

1.栄養

ヒトにとって栄養となる食品は、細菌にとっても栄養源となります。調理器具類では、食品の残さや汚れが細菌にとって栄養源となります。

2.水分

細菌は、食品中の水分を利用して増殖します。水分含量50%以下では発育しにくく、20%以下では発育できません。

3.温度

ほとんどの細菌は、10~60℃で増殖し、36℃前後で最もよく発育します。

水分と栄養と温度の3つの条件がそろい、時間が経つと、細菌が増殖し、食中毒が発生する可能性が高くなります。

ウイルス性食中毒について

厚生労働省の食中毒統計では、ウイルス性食中毒のうちほとんどが「ノロウイルス」によるものです。
ノロウイルスは食中毒と感染症の両方を引き起こすウイルスです。食中毒においても、ノロウイルスに汚染された食品だけでなく、感染したヒトの手指などを介して食品に付着する二次感染が増えています。

寄生虫による食中毒について

寄生虫による食中毒とは

食品には、いろいろな種類の寄生虫が存在することがあり、中には人が食べると激しい痛みや嘔吐などの症状を起こすものもあります。
近年、寄生虫による食中毒が増加の傾向にあり、特に、アニサキスによる食中毒が著しく増加しています。

寄生虫食中毒発生状況

参考:厚生労働省 食中毒統計資料

寄生虫食中毒の対策

寄生虫の多くは加熱または冷凍すれば死滅します。そのため、対策としては加熱調理が有効です。また、刺身など生食する場合は冷凍・解凍後のものが安心です。

食中毒を起こさないために、私たちがすべきことは、どんなことなんだろう?

食中毒予防の3原則

食品に菌がつく、ついた菌が増える、菌の増えた食品を食べる、食中毒発生 食品に菌がつく、ついた菌が増える、菌の増えた食品を食べる、食中毒発生
  1. 講演

    食品に菌をつけないよう清潔を心がけましょう。

  2. 講演

    食品についた菌が増えないよう、迅速な調理・提供と冷却を心掛けましょう。

  3. 講演

    食品は中心部が75℃で1分間以上加熱

要注意ノロウイルスの場合

つけない、やっつけるつけない、やっつける

ノロウイルスに限らず、発症菌量が少ないと考えられている病原体(腸管出血性大腸菌サルモネラ・エンテリティディスカンピロバクターなど)への対策も考慮すると、「菌をつけない」こと、つまり「手指や調理器具類等を清潔に」保ち、「食品への二次汚染を起こさないようにする」ことが非常に重要であるといえます。

食品を取り扱う人のための手洗い

食中毒予防の3原則でもあったように、食品に菌を「つけない」ことがとても重要です。
食品取扱現場では、作業に従事する人の手指を介して食中毒原因菌が食品に「ついてしまう」ことがあるため、手洗いが重要な予防手段となります。手洗いといっても方法はさまざまあり、ここでは食品を取扱う方々が食中毒予防のために行うべき「衛生的手洗い」をお伝えします。

衛生的手洗いとは

  1. 洗って

    洗い残しの多い指先、指の間、親指の周りも忘れずに。

  2. ふいて

    清潔なペーパータオルなどでよく水気をふき取ります。

  3. 消毒

    指先を曲げて受け、両手全体にすり込みます

細菌の除菌レベル

手洗いには細菌の除去レベルによって、基本的に下図のような3つの方法があります。
食品を取り扱うには、衛生的手洗いが必要です

ノロウイルス対策には

調理従事者は必要なタイミングで石けんと流水による手洗いを2度繰り返す2度手洗いを行いましょう。

手洗いのタイミング
  • トイレの後2度手洗い
  • 嘔吐物、排泄物などの処理後2度手洗い
  • 食品を取り扱う直前2度手洗い
  • ゴミなど汚れたものを触った時
  • 配膳の前
  • 手袋着用の前後
  • 調理作業の区切り毎
  • 外出から戻った時

手洗いが不十分になりやすい箇所

色の濃いところほど汚れが落ちにくい箇所です。
★特に指先は手洗いが不十分になりやすいところです。

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