感染症の種類と特徴
肝炎には、病態により主に急性肝炎、慢性肝炎(6ヶ月以上炎症が続くもの)、に分けられます。また、成因によってウイルス性(A型、B型、C型、D型、E型など)、アルコール性、薬物性、自己免疫性、その他に分類されます。施設等での感染対策で問題となる肝炎は、ウイルスが起因となるB型肝炎、C型肝炎です。
A型 | B型 | C型 | E型 | |
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感染経路 | 経口感染 | 血液感染 | 血液感染 | 経口感染 |
経過 | 急性肝炎 稀に劇症肝炎 |
急性肝炎 ・慢性肝炎 |
急性肝炎 ・慢性肝炎 |
急性肝炎 稀に劇症肝炎 |
慢性化 | しない | ほとんどしない | する | ー |
A型肝炎は、典型的な消化器感染症の一つです。汚染された貝類などの食品を食べて感染することが多く、また、衛生状態の悪い地域でよく見られます。子どもの時に感染した場合は、ほとんどが不顕性感染で終りますが、大人になってから感染すると、発症することが多く、症状も一般に激しくなります。
B型肝炎は、一過性のものと持続性のものがありますが、持続性のものはほとんど母子感染によるものです。多くの場合急性肝炎となって、慢性化しません。
C型肝炎は、季節、年齢、性別を問わず、発症します。以前は非A型非B型といわれたものの大部分がC型肝炎といわれています。輸血から生じる肝炎症例の大部分を、C型肝炎が占めており、高い確立で慢性化することが最も深刻な問題となっています。
E型肝炎は、日本を含め先進国にはないといわれていますが、時折、流行を引き起こします。日本においてもE型肝炎による感染者を含め、死者が発見されています。