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福祉ナビ-栄養と食事

調理のポイント

食べやすくする工夫

噛み切りにくいものは、切り込みをいれる、筋を切る、繊維を切断するように切る、よくもむ。など調理方法を工夫する。喉に残りやすいもの・むせやすいものは、しっとりさせる、とろみをつける、ゼリー状にまとめるなどする。とろみ剤・ゼリー剤などを活用するとよい。

食材別調理例

  1. 1.選び方

    お刺身にする場合、なるべくイカ、タコなど噛み切りにくいものは避けるべきです。食べる場合は、小さく(一口大)切ります。まぐろ、サーモンは噛み切りやすいので好まれるでしょう。

  2. 2.調理方法

    煮魚はパサパサするので、身を崩して鍋に入れ、柔らかく煮なおします。さらに、とろみ剤を加えてとろみを付けると、より食べやすくなるでしょう。一度崩した魚は味が染み込みやすくなります。味付けが濃くならないようにだし汁などで調整するとよいでしょう。

  1. 1.選び方

    赤身の多いものより、やや脂肪が含まれている方が柔かく仕上がります。しかし、あまりにも脂肪が多いと冷めた時に固まって硬くなるので、多すぎる時は少し取り除きましょう。

  2. 2.調理方法

    ブロック肉は高齢者はなかなか噛み砕くことができないので、スライス肉の方が食べやすいでしょう。しかし、同じ食卓で周りの人がブロック肉を食べているのに、自分だけ違うものを食べるのは好みません。
    ではどうすればよいのでしょうか? 酢豚を例に紹介します。

    酢豚

    1. 1.スライス肉を一口大に切ります。
    2. 2.それをボールの中に入れ、しょうゆ、みりん、お酒で味付けをし、一日ねかせます。(当日でも可能)
    3. 3.ねかせたスライス肉を一口大の大きさ分ほどつかみ、片栗粉でかためて揚げます。

    こうすると、ブロック肉のように見えます。しかし、食べてみると口の中で肉がばらけてとても食べやすくなります。
    また、パイナップルはたんぱく分解酵素を持っているので肉を柔かくします。一緒に調理するなど工夫してみてください。

野菜

  1. 1.切り方・調理方法

    アスパラ、いんげんなど、通常であれば5cm程度の長さにして調理しますが、高齢者には3cm程度の長さにします。じゃがいもや、にんじんなどもなるべく小さく切ります。いも類は口の中でパサパサするので、小さく切るだけでなく汁気を多くしたり煮物にして水分を多くする必要があります。さつまいもは皮を厚く剥くと、色も口あたりもよくなります。

    ごぼう、れんこんなどは嚥下困難食といって比較的飲み込みにくい食材とされています。よって、通常適当だと思われる大きさよりも小さく切ります。そうすることによって口の中で噛み砕きやすくなるからです。ごぼうは斜めに薄切りにしたり、れんこんはすりおろし、団子にして煮たり、揚げて煮物や汁物に入れたりするとよいでしょう。

卵はゆで卵にするとパサパサして喉につまりやすくなります。なるべくゆで卵は避け、水分を含むように調理します。スクランブルエッグ(炒り卵)にすると、食べやすくなります。

穀物

  1. 1.麺類の調理方法

    市販の麺は高齢者にとって長いので、食べやすい長さに切ります。
    だし汁と合わせてとろみを付けたり、ゼリー状にするとばらけず、食べやすくなります。

  2. 2.パンの調理方法

    • パン粥

      食パンは口の中の水分をとってしまうことから敬遠される傾向にあります。そこで、お鍋に牛乳を入れて食パンをちぎって入れ、火にかけてパン粥を作ります。食パンはなるべく小さくちぎって入れましょう。

    • フレンチトースト

      食パンの耳はとって、牛乳にひたして柔らかくします。牛乳は多めに、漬けておく時間も長めにして、食パンによく牛乳をしみこませると、そのままでも食べやすくなります。1/4か1/6の大きさに切って盛り付けましょう。

  3. 3.お米の調理方法

    のりは噛み切りにくい食品です。のりの代わりに玉子シート(錦糸玉子を作る時の 薄い玉子生地)で巻くと食べやすく仕上がります。具材も細かく切ると容易に噛み砕くことができます。
    また、ラップをしき、青のりを散らした上に酢飯・具材をのせて巻くと、青のりの巻き寿司の出来上がりです。

とろみを付ける・ゼリーにする。

食べやすくする工夫として、とろみを付ける、ゼリーにするという方法があります。
様々な方法がありますが、その特徴を紹介します。

とろみを付ける

片栗粉

加えて加熱すると、とろみが付きます。しかし、あんかけなどのお料理で最初はとろみがついていたのに、最後の方にはとろみがなくなり、サラサラになってしまったという経験はないでしょうか?これは唾液に含まれる消化酵素の影響で、片栗粉の成分のデンプンが分解されてしまうためにとろみが無くなってしまいます。先に説明したとおり、サラサラしたものは高齢者にとってはむせやすい食品ですので、注意が必要です。

とろみ剤

食品に混ぜるだけで、とろみを付けることのできる嚥下補助食品です。加熱も必要なく、非常に便利です。しかし、中には片栗粉と同じデンプンを使ったものや、溶けにくくダマになってしまうものなど、製品によって性質にかなり差があります。溶けやすく、味を変えずに、べたつきの少ない理想的なとろみが付くとろみ剤を選びましょう。

ゼリーにする

ゼラチン

一般的にゼラチンで固めたものは、つるりとして食べやすく嚥下食として理想的です。しかしながら、ゼラチンは温度に弱く、濃度によりますが約25℃前後で溶けてしまいます。そのため、なかなか飲み込めない場合は、口の中の体温で溶けてしまい、誤嚥してしまう危険性があるので、注意が必要です。また、固めるときには冷蔵庫で冷やす必要があります。

寒天

ゼラチンと同じように食事を固めることはできますが、その物性はかなり違います。寒天はもろいのですが、硬く、変形しにくいです。また噛めば細かくくだけてしまい、口の中でまとまらず、飲み込みにくい食品です。市販品の中には、ゼラチンの中に寒天が混合され、食べやすいものもあるので、必ずしも寒天が不向きというわけではありません。

ゼリー剤

ゼリー状に固めることができる、嚥下補助食品です。 嚥下食として理想的とされるゼラチンゼリーの物性を持ちながら、温めても溶解しないので、食事に応じて温かいゼリーを作ることもできます。また、ゼラチンに比べ、冷却時間が短く、使用量が少なくて済むことも特徴です。とろみ剤同様、様々な種類があり、デンプンが含まれるものについては唾液の影響を受けてしまいます。

以上のように、食べやすくする方法はいろいろとありますが、とろみを付ければよい、ゼリー食であればよい、というわけではなく、その方に適した方法をとる必要があります。また、その人が持っている能力を維持することも大切ですので、必要以上に嚥下補助食品に頼らないように、上手に利用しましょう。