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HACCP研修

食の安全に関する国内外の動向

食の安全に関する国内外の動向

農林水産省改正
HACCP支援法に基づく中小事業者への支援

平成10年に制定されたHACCP支援法(食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法)は食品製造業界全体にHACCPの導入(高度化)を促進させてきましたが中小事業者においては導入が伸び悩んでいる状況です。その要因は人材不足、コスト難、そしてHACCP以前の一般的衛生管理(高度化基盤)への取組不足が考えられます。それを基に平成25年6月30日にHACCP支援法を改正し高度化(HACCP導入)のみでなく高度化基盤整備(一般衛生管理事項の整備)への取組にも金融支援(長期低金利)を行い中小事業者の支援を平成35年度まで実施することになりました。これにより段階的アプローチによるHACCP導入が支援されることになります。

本件に関するお問い合わせ
日本政策金融公庫 農林水産事業本部 営業推進部食品産業グループ
TEL:03-3270-5492(直通)

厚生労働省
管理運営基準の改正

食品等事業者が実施すべき管理運営基準が平成26年5月12日に改正され従来型の基準に加え、HACCPを用いて衛生管理を行う場合の基準(HACCP導入型基準)が新たに規定され、HACCP導入型基準と従来型基準のいずれかを選択することができます。当管理運営基準は、各自治体が営業施設の衛生管理上講ずべき措置を条例で定める場合の技術的助言ですが、この改正を基に平成27年3月に各自治体の「食品衛生法施行条例」に定められている「公衆衛生上構ずべき措置の基準」が改正されました。HACCPの導入は現在は選択制ですが、義務化を見据えた対応が必要と思われます。

厚生労働省医薬食品局安全部長通知 食安発0512第6号
食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)について

国内におけるHACCP認証について

日本国内では国がHACCP認証する「総合衛生管理製造過程承認制度」や「対米・対EU水産食品承認制度」があります。対象業種は乳・乳製品、食肉加工製品、容器包装加圧加熱殺菌食品、魚肉練り製品、清涼飲料水の5業種6品目です。また、「対米・対EU水産食品承認制度」は輸出する相手国のHACCP規制にあわせて導入されたHACCPを、厚生労働省が相手国政府の代わりに認定するものです。

HACCP責任者養成研修の修了者は、次の平成9年2月3日に示された通知の要件に該当します。衛食第31号・衛乳第36号、各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省生活衛生局食品保健・乳肉衛生課長連名通知『総合衛生管理製造過程の承認制度に係る「HACCPシステムについて相当程度の知識を持つと認められる者」の要件等について』

国の他に自治体によるHACCP認証制度があり、都道府県、政令指定都市、中核市などが、食品関連事業者を対象に、HACCPの考え方等を参考にして構築した独自の衛生管理認証制度です。それぞれの認証制度によって特徴が異なりますが、国の行う「総合衛生管理製造過程」承認制度と比較すると、施設の規模、業種などに関係なく一定の努力で、かつ安価に認証を取得することができます。

日本に於けるHACCPによる食品安全管理の認証制度

■国や自治体による認証<対象品目限定>
・総合衛生管理製造過程(食品衛生法) 
・対米・対EU水産食品承認制度
・自治体による地域HACCP認証制度(24都道府県、14市、1町) 
■業界全体による認証<対象品目限定>
 ・HACCP支援法の食品の種類別指定認定機関(22協会等) 
■民間による認証 
・ISO22000の認証(食品安全標準規格としてはPRPが不明確) 
・FSSC22000の認証(GFSI承認によるオランダの食品安全認証財団FFSC)その他
・jfsm 一般財団法人 食品安全マネジメント協会

米国 食品安全強化法FSMA

米国で2011年1月4日に成立した「食品安全強化法FSMA:FoodSafety Modernization Act」により食品危害の予防管理が罰則を伴う義務化となりました。これによりFDA(連邦食品医薬品局)の権限が大幅に強化され「食品危害に対する予防管理の強化」「危害発生の場合の対応強化」、「輸入食品の安全対策の強化」、「FDAの体制強化」が可能となりました。その中で輸入食品の安全対策強化では「海外供給業者検証プログラムFSVP:ForeignSupplier Verification Program」により輸入業者の義務が拡大され輸出業者の海外施設の検査も大幅に強化されるとともに食品安全強化法に規定する予防管理に従って推進されているかや検証記録の確認等の審査が義務づけられています。これによりHACCPシステムの導入は大前提となります。FDAはこの第三者監査機関としてGFSIとの連携も検討している模様です。

米国食品医薬品局(FDA)は、2013年7月26日
 (1)米国食品安全強化法310条(外国供給者検証プログラム及び
 (2)307条(第三者監査人の認定)の規則
 上記に関する案が公表されました。

ジェトロのウェブサイト「米国食品安全強化法に関する情報」

2016年9月16日 危害分析およびリスクに基づく予防管理 適用期限(原型)

イスラム社会における「食の安全」について

イスラム教徒は世界人口の4分の1、20億人に達するといわれています。そして、イスラム教では豚肉やアルコールを口にしない戒律があることが知られており、ハラール認証という制度があります。NPO法人日本ハラール協会によればハラール基準はマレーシア政府ハラール認証機関の用いるMS1500./2009とISO22000:2005(E)がベースとなったIHI(International Halal Integrity Alliance)のハラール基準を用いて、ISOを上回る厳しい審査が行われるとのことです。全世界で60兆円規模といわれるハラール市場に食品を販売する場合にもHACCPのハザード分析等の手法は大いに助けになることでしょう。

国際的な食品安全の知識の共有化GFSI

2005年にベルギー法下で非営利団体として設立されたGFSI:Global Food Safety Initiative Foundationはグローバル食品企業に対する複数存在する食品安全基準の統一化や重複監査の低減化を検討するために設立されました。そして食品安全のための統一的な仕組みや世界共通の評価基準の策定を目指しています。その使命は「安全な食品を消費者に届ける上で確かな信頼を築くため食品安全マネジメントシステムの継続的改善を推進する」ことを旨とし、「食品安全におけるリスクの軽減」「コスト効率の向上」「技量、力量の開発と能力の構築」「知識の交流・共有とネットワーク作り」を行っています。また、「一度受けた認証はどこでも通用するとし、GFSIのメンバー企業であれば登録された食品安全マネジメントシステムであればどれを採用しても認められます。現在その「食品安全マネジメントシステム」は8種類あり、日本ではFSSC:Food Safety System Certification22000が知られています。FSSC22000はISO22000のシステムを基として一般的衛生管理プログラム(PRP)がより詳細かつ強化されています。もしこれらのシステムを導入しようとすればHACCPの基礎知識は必須となります。

GFSI日本ローカル・ワーキング・グループのウェブサイト