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麻疹は、麻疹ウイルスによる赤い発疹を呈する急性発疹性疾患です。もともと乳幼児に多く見られる疾患ですが、年長児や学童、成人における発症が最近は問題となっています。
症状としては、38℃前後の高熱があり、ぐったりとして、咳や鼻汁、くしゃみ、結膜の充血、目やになどを伴います。熱がいったん、下降する頃に頬の粘膜にコプリック斑と呼ばれる白い斑点が見られ、3~4日経つと、下がった熱が再び高熱となり、特有の赤い発疹が出現します。7~9日で解熱し、発疹は消退していきます。肺炎や中耳炎、脳炎を合併する場合があります。年長児や成人の場合、肺炎などを合併して重症化し、死亡するケースもあります。
また数年から十数年後に再発し、脳炎を起こし、異常行動や性格変化、知能低下が起こることがあります。亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれ、10万人に1人の割合で生じるといわれます。
この怖い麻疹も、ワクチンで防げる病気です。ところが、日本はそのワクチンの接種率が低く、麻疹を世界に輸出する国と非難されています。しかし、2005年から麻疹・風疹ワクチンの2回接種が施行され、接種環境は世界標準に近づきつつあります。
ただし、わが国には、ワクチン未接種者、すなわち予防接種を打たなかったけれども周囲に流行がなかったためにこれまで罹らずに済んでいた人たちが、相当数存在しています。その一方で、接種済みなのに罹ってしまう人も出てきました。麻疹の定期接種がわが国で始まったのは1978年ですが、予防接種の免疫は一生涯持続しない場合もあるようなのです。こうした問題により、大学生等における麻疹流行が見られました。そのため、こうした層への対策が大きな課題となっています。
一方、麻疹の治療には、抗ウイルス薬はありません。したがって、学校などで1人でも発症していることが明らかになれば、新たな感染者と感染拡大を防ぐため、全校生徒のワクチン接種の既往を検索し、未接種や接種不明の生徒にはワクチン接種を行うなど、積極的な対応を行わなければなりません。