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感染症情報
猫ひっかき病

日本のネコの10%が原因菌を保有

猫ひっかき病は、ネコに引っ掻かれたり、噛まれたりした後に発病するため、このような名前が付きました。皮膚や粘膜の傷をなめられても、感染します。病原体は、1992年に発見されたバルトネラ・ヘンセレという細菌です。

日本では、ネコのおよそ10%がこれを保有しているといわれています。この菌を保有していてもネコには症状は出ないので、どのネコが危険かは外見ではわかりません。ネコからネコへの菌伝播は、ノミが媒介しています。感染したネコの血をノミが吸い、ノミの体内に菌が入り、ノミの体内で増殖した菌が糞便中に排泄され、それをネコが歯や爪に付着させ、ほかのネコや人間に菌を感染させるのです。

ネコの口や爪にはこの菌がいるので、派手に引っかかれなくても、病気になることがあります。皮膚に傷がある時には、特に要注意です。頻度は低いですが、ネコノミがイヌに寄生することがあり、イヌから猫ひっかき病が感染することもあります。

猫ひっかき病の発生は、夏から秋にかけて多くなっています。夏がネコノミの繁殖期であることや、秋には子ネコが増えることが関係しているといわれます。

濃厚な接触を避けることが一番の予防策

主な症状は、リンパ節の腫れです。発熱し、長く続くことがあります。症状は、ネコに引っ掻かれた10日目前後の頃から出始めます。引っ掻き傷が赤くなり、腫れることもありますが、気付ないことがほとんどです。リンパ節が腫れる部位は、手の傷なら脇の下の腋窩リンパ節、足の傷なら下肢の付け根の鼠径リンパ節です。だるさ、関節痛、吐き気を訴えることもあります。自然に治ることが多いのですが、治癒まで数週間から数か月かかることがあります。重症例では脳や脊髄、目の病気に進展することもあり、免疫力が低下した人は要注意です。

感染防止策としては、感染の機会を減らすために、飼いネコを外に出さないようにしつけることなどが挙げられます。ノミを駆除し、ネコの衛生状態に心がけることも大切です。食べ物を口移しで与える、キスをする、一緒に添い寝をするなどの濃厚な接触は避けましょう。もし、ネコに引っ掻かれたり、咬みつかれたら、傷口を石けんでよく洗った後に消毒液で消毒しましょう。