Home > 感染と予防Web > 感染症専門家コラム > Dr.大越コラム > 海外感染症通信(2012年Vol.21)
海外派遣企業向けインフォメーション~西新橋発→→
Dr.大越のメッセージ~
海外派遣企業向けに世界地域別の感染症発生内容や危機管理情報を配信します。
1981年東京慈恵会医科大学卒業、同大学第一内科助手。米国留学後、1994年から14年間、日本航空健康管理室に勤務、お客様健康問題対策、航空機内AED導入、客室乗務員教育を担当。2008年8月渡航医学センター西新橋クリニック院長。日本渡航医学会副理事長、日本宇宙航空環境学会理事。現在に至る。
今回は、先進国でも感染する危険のあるレジオネラ症をトピックスで取り上げます。インフルエンザは、日本では感染者が急増しています。海外では、北米、欧州西部、中国北部で流行がみられています。鳥インフルエンザは、この1か月で、数名の感染者が報告されています。
英国保健当局は、スペインのホテルに宿泊した英国人旅行者11人がレジオネラ症に感染し、3人が死亡したことを明らかにしました。全ての患者が4つ星ホテルの AR Diamante Beachホテル (Calpe, Costa Blanca) で休暇を過ごした後に発病しています。ホテルは閉鎖され、調査が行われています。
NaTHNaC(National Travel Health Network and Centre)
その他、最近ニューヨークのホテルで感染した、と推定されているレジオネラ症患者6人が確認されています。
1月30日の検査で、ホテルの給排水システムから通常より高濃度のレジオネラ菌が確認されています。
厚生労働省検疫所FORTH 海外で健康に過ごすために:レジオネラ症
今シーズンのインフルエンザの定点当たり報告数は2011年第42週以降増加が続いています。2012年第5週の定点当たり報告数は42.62(患者報告数209,974)となり、前週の報告数(定点当たり報告数35.95)を大きく上回りました。
患者数を推計すると約211万人で、15才未満の小児の感染者が多くなっています。福井県、岩手県、石川県、宮崎県、高知県、山口県、埼玉県、千葉県、静岡県、神奈川県の順となっています。
インフルエンザウイルスの検出はAH3亜型(A香港型)が最も多く、B型、AH1pdm09の順となっています。
国立感染症研究所感染症情報センター:インフルエンザ流行レベルマップ
北半球の温帯地方におけるインフルエンザの流行は、北米、西欧、中国北部の局所的流行があるものの、全体的には低いレベルです。
熱帯地方の流行レベルは中国南部、コロンビア、エクアドルを除き低いままで、南半球の温帯地域はシーズンオフのレベルです。
検出されているウイルスは中国でB型が検出されている以外、A香港型が主流となっている。メキシコ、アメリカ南部の州、コロンビアで検出されているウイルスは、最近では、A(H1N1)pdm09 が優位となっています。
タミフル耐性ウイルスが低いレベルで認められていますが、過去のシーズンを超えるものではありません。
Influenza update-03 February 2012 Update number 152
1月15日以降、カンボジア(1人)、ベトナム(2人)、インドネシア(1人)、中国(1人)、エジプト(2人)で、計8人の新たな鳥インフルエンザ患者が発生し、7人は死亡しています。多くのケースで鳥との接触が確認されています。人から人への感染はありません。
患者が確認されている地域では、鳥に直接触ったり、病気や死んだ鳥に近寄らないようにしましょう。