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感染症専門家コラム
Dr.大越コラム

海外派遣企業向けインフォメーション~西新橋発→→Dr.大越のメッセージ~

海外派遣企業向けに世界地域別の感染症発生内容や危機管理情報を配信します。

氏名:
大越 裕文 氏
現職:
医療法人社団航仁会 渡航医学センター 西新橋クリニック 理事長

1981年東京慈恵会医科大学卒業、同大学第一内科助手。米国留学後、1994年から14年間、日本航空健康管理室に勤務、お客様健康問題対策、航空機内AED導入、客室乗務員教育を担当。2008年8月渡航医学センター西新橋クリニック院長。日本渡航医学会副理事長、日本宇宙航空環境学会理事。現在に至る。

海外感染症通信(2011年Vol.16)

今回のトピックスは、中国新疆ウイグル自治区で発生した「ポリオ」の流行とタイの「デング熱」の流行を取り上げます。インフルエンザは、南半球のインフルエンザ流行が始まっており、オーストラリアでは患者が増加しています。鳥インフルエンザは、インドネシアとエジプトで新たな発生が報告されました。

1.ポリオ (中国衛生部 2011年8月26日)

中国の新疆ウイグル自治区で野生型ポリオウイルス(1型)(生ワクチン接種による感染ではない)の感染例の報告がありました。感染源については現在調査中です。中国では1994年以降国内の野生型ポリオウイルスの発生は根絶したものの、1994年、1995年と1999年にミャンマー、インドからの輸入症例が報告されています。

  • ポリオの感染予防
    • WHOは、中国の流行地域へ渡航する方に、少なくとも出発前に追加接種を1回受けるように勧めています。
    • ポリオは水や食べ物から感染します。水や食べ物に注意しましょう。
      渡航医学センター 西新橋クリニック:滞在中の注意「飲み物・食べ物の注意」
    • 手をしっかりと洗いましょう。こまめに石けんときれいな水を使って手洗いをするようにしましょう。石けんやきれいな水が使えない場合には、手洗い後、殺菌用のアルコールを含んだハンドジェルを使ってください。

2.デング熱(タイ ProMed 2011年9月13日)

タイ国内でこれまでに約40,000人がデング熱の症状を呈しているとし、デング熱が大流行していると警告しています。タイ北部、北東部、南部に続き中部地域で患者の数が最も多くなっており、死者も27人出ています。

海外感染症通信(2011年Vol.14):「蚊からうつる感染症対策」

3.インフルエンザの流行状況

日本のインフルエンザ流行状況
現在、流行は認められません。
海外のインフルエンザ流行状況(WHO 2011年8月26日)
北半球温帯地域諸国におけるインフルエンザの活動性は、低いか全く検出できない状態が続いています。
熱帯地域諸国ではアメリカ大陸(ドミニカ共和国、キューバ、ホンジュラス、ブラジル)、西アフリカ(ガーナ、カメルーン、セネガル)、南アジア(インド、バングラデシュ、タイ、シンガポール)で感染が持続している報告がありますが、それらを除くとほとんどの国では活動性は低くなっています。 南アメリカではインフルエンザシーズンは今のところ比較的緩やかで、国により流行株は異なっています。南アフリカ共和国のインフルエンザの活動性は流行のピークをすでに超え、低いレベルが続いています。
オーストラリアではインフルエンザ様疾患(ILI)の受診者数と検査確定インフルエンザ症例の増加が継続しており、流行ウイルスはインフルエンザウイルスA(H1N1)2009とインフルエンザウイルスB型の混合ですが、国内での分布は均一ではありません。ニュージーランドにおけるILIの活動性は予想範囲内のレベルであり、B型が主流となっています。

国立感染症研究所感染症情報センター:感染症発生動向調査 週報(IDWR)より引用

4.鳥インフルエンザ(H5N1型)流行状況

2011年8月19日に公表されたWHOの情報によりますと、カンボジアで新たに1人の鳥インフルエンザウイルスに感染した患者が報告されました。
この患者はコンポンチャム州の6歳の女児です。この女児は発症後、村の民間の開業医の治療を受けた後、病院に入院し治療を受けていましたが、入院から2日後に死亡しました。 この女児の村では死んだ家禽の報告があり、この女児は病気の家禽と接触がありました。カンボジアでの鳥インフルエンザ患者数は2005年からの累計18人で、16人が死亡しました。今年に入り報告された患者8人がすべて死亡しています。

国立感染症研究所感染症情報センター:WHOに報告されたヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例数