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Home > 感染と予防Web > 感染症専門家コラム > Dr.中野コラム > インフルエンザかな?と思ったら~診断と治療のポイント

感染症専門家コラム
Dr.中野コラム

家族で知る感染症~Dr.中野の予防塾~

いざという時に役立つ、家庭向けの感染症予防が満載です!

氏名:
中野 貴司 氏
現職:
川崎医科大学 小児科 教授

1983年信州大学医学部卒業、1983年三重大学医学部付属病院小児科研修医、1984年尾鷲総合市民病院小児科、1985年国立療養所三重病院小児科、1987年ガーナ共和国野口記念医学研究所派遣(2年間)、1989年三重大学医学部小児科、1995年国立療養所三重病院小児科(この間、中国ポリオ対策プロジェクトへ1年間派遣)、2004年4月 独立行政法人化により“国立病院機構 三重病院”と改称、2010年7月 川崎医科大学小児科教授、現在に至る。

インフルエンザかな?と思ったら~診断と治療のポイント

1.こんな時はインフルエンザかも?

インフルエンザの潜伏期間は短く、1~4日程度です。すなわち、周囲で流行している場合や、ウイルスを排泄する患者との接触があれば、自分も数日後にかかる可能性があります。
症状として、しばしば高熱を認めます。咳やのどの痛みを伴うことが多く、時に嘔吐や下痢・腹痛もあります。通常の風邪と比べて、全身の倦怠感や身体の痛みなど全身の症状が強く、「病気にかかってしまったな・・・」という自覚症状があります。

2.どうすれば、インフルエンザと診断できますか?

医療機関では迅速診断キットを用いて、鼻の奥やのどを綿棒で擦って、短時間でA型とB型のインフルエンザを鑑別して診断することが出来ます。ただし、A型亜型の判別(H1N1とH3N2、H1/ソ連型とH1/2009(2009年に出現した新しいインフルエンザ)の区別など)には、ウイルス分離やウイルス遺伝子検査法であるPCR法が必要となります。
インフルエンザ発症直後の病初期では、気道粘膜のウイルス量がまだ少なく、迅速検査陰性となる場合もあります。ウイルスの型によっても差があり、A型ウイルスでは発症後約半日で全例が迅速診断検査陽性と判定されたのに対して、B型では1日程度を要したという研究報告もあります。

3.どのように治療しますか?

インフルエンザウイルスに特異的に作用する薬剤として、抗インフルエンザ薬があります。内服薬のオセルタミビル(タミフル®)と吸入薬のザナミビル(リレンザ®)が10年ほど前から使われてきましたが、2010年に点滴静注薬のペラミビル(ラピアクタ®)と、吸入薬のラニナミビル(イナビル®)が新たに承認されました。ペラミビルとラニナミビルは、単回の使用のみで治療効果を示すという特徴があります(表1)。
健康保険は適用されませんが、インフルエンザが重症化するリスクの高い人に対しては、これらのうち一部の薬剤は、予防目的で病気になる前に使うことができます。ただし、薬の乱用はウイルスの薬剤耐性誘導や医療費の浪費につながるので、適切な場合のみに限ります。

表1.わが国で用いられる抗インフルエンザ薬
一般名 アマンタジン塩酸塩 オセルタミビルリン酸塩 ザナミビル水和物 ペラミビル水和物 ラニナミビルオクタン酸エステル水和物
商品名 シンメトレル®など タミフル® リレンザ® ラピアクタ® イナビル®
投与法 内服 内服 吸入 点滴静注 吸入
有効なウイルス型 A型のみ A型&B型 A型&B型 A型&B型 A型&B型
投与期間 5日間 5日間 5日間 単回投与。
重症には反復も可。
単回投与
副作用など注意事項 自殺企図、てんかん誘発、異常行動・言動、腎障害患者への注意。妊婦、透析患者への投与禁忌。耐性ウイルス誘導の頻度が高い。 因果関係は不明であるが、本薬剤投与による小児での異常行動・言動発現への注意により、2007年3月以降10歳代の者への投与は原則的に差し控え。腎障害患者への注意。 小児での異常行動・言動への注意。気管支攣縮への注意。 小児での異常行動・言動への注意。腎障害患者への注意。 小児での異常行動・言動への注意。気管支攣縮への注意。

4.かかってしまったら、どんな注意が必要?

インフルエンザは、高熱や食欲不振などにより、特に小児や高齢者では脱水への注意が必要です。また、脳症や肺炎も合併症としてよく知られています。
小児のインフルエンザ患者に用いる薬剤に関して、注意事項があります。アスピリンなどサリチル酸系薬剤は、合併症の脳症の一種である"ライ症候群発症"のリスクを高める可能性があります。ほとんどの総合感冒剤には、サリチルアミドが配合されています。また、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸の投与はインフルエンザ脳症の予後不良因子という研究結果があり、解熱剤としてはアセトアミノフェンの使用が適切です。