■セラチア菌とは
セラチアはSerratia属に属するグラム陰性桿菌(※1)で、Serratia marcescensをはじめとする数種類の菌種があります。ちなみにSerratiaとは、イタリアの物理学者Serrafino Serratiの名前に由来し、marcescensは、ラテン語で腐敗を意味する"marco"に由来します。

セラチアは水や土壌に広く分布し、病院だけではなく、一般の家庭でも洗面台などの湿潤環境に存在します。S.marcescensは赤色からピンクの色素を産生することが多く、洗面台などにバイオフィルム(※2)を形成しているのが見えることがあります。
一般の健常人に対してはこの菌は平素無害菌であるので、家庭などでは特に注意するべきことはありません。ただし、易感染患者(抵抗力が低下し感染しやすい状態の患者)や患者の感染しやすい部位にセラチアが伝播した場合、呼吸器感染、尿路感染、手術部位感染、血流感染、髄膜炎などを起こし、血流感染などの場合には急速に増殖し、時に死因となることもあります。
(※1)桿菌...棒状、あるいは円筒状をした細菌のこと。
(※2)バイオフィルム...複数の細菌が共存して複合体を形成し、固体の表面に付着した状態のものの総称。