■SARSとは

平成15年3月に、東南アジアを中心にアウトブレイクしたSARS(重症急性呼吸器症候群)は、強い感染力と高い死亡率(特に高齢者)により、世界中を震撼させました。2003年7月5日、WHO(世界保健機関)によって終息宣言が出された後は、現在まで、WHOが指定する流行地域はありませんが、シンガポールや台湾での研究者の過失によると思われる感染報告や中国での散発的な患者発生報告、ハクビシンなどの動物からSARSウイルスの検出など、依然として予断を許さない状態が続いています。幸運にも心配された今冬の流行は回避できたようですが、ウイルスに有効なワクチンは未報告であり、いつ牙をむいて再び襲いかかるかもしれません。現在の有効な感染予防法は、患者の早期発見と隔離、マスクなどの個人防護具の着用、うがいと手洗い・手指消毒の励行、適切な消毒剤の適用などが挙げられます。
感染症の予防と治療は、今や、一国一地域の問題にとどまらず、全世界が責任と義務を負うテーマです。各国、各人が反省や課題を持ち寄り、「再興」に備えることこそが重要な感染症対策です。