製品導入事例

どの食品に対しても同じ添加量で使える、便利なとろみ剤

社会福祉法人グレイスまいづる 特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる

  • 所在地:〒624-0806
    京都府舞鶴市字布敷小字中島52-1
  • TEL:0773-75-7121
  • 入居:80室(8人×10ユニット)
  • ショートステイ:14床
  • デイサービス:30名
  • 平成17年4月 開設
  • 施設のホームページ
    http://gracemaizuru.jp/

※上記のリンク先ウェブサイトはサラヤ株式会社の個人情報保護方針は適用されません。リンク先の個人情報保護方針をご確認ください。

今回インタビューさせていただいた方

栄養管理室 管理栄養士
南様
医務室 看護師
仲井様

導入製品

とろみ調整食品
とろみ名人マルチクイック

どんな食品に対しても同じ添加量で、とろみがつき始めるのも安定するのも速いとろみ調整食品です。

製品情報はこちら

嚥下障害の取り組み

入居者だけでなく、ご家族や地域のみなさまと共に過ごせる施設を目指して

今年の春で開設10周年を迎えました。ここは特別養護老人ホームですが、「ぐれいす村」として地域の皆さまと共に暮らしています。ボランティアの方々が施設内の喫茶コーナーを、地域の方が施設で耕している畑をお手伝いしてくれています。このように地域の方々と日常的に交流しながらスタッフ一同ぐれいす村で「共に暮らし、共に考え、共に感動し、共に働く」を理念とし、すべての人に優しい施設運営を目指しています。

施設の食事形態について教えてください。

南さん

食事形態は普通食、軟菜食(以下、ソフト食)、ミキサー食(ムースおよびゼリー含む)の3種類です。きざみ食はまとまりにくく、また口腔内にたまったりむせる原因となるため提供していません。

仲井さん

当施設の食事形態は3種類ですが、入居者の状態に合わせてそれらを組み合わせています。例えば、ソフト食を基本にお肉料理だけミキサー食にしたり、体調不良の日だけソフト食からミキサー食へ変更するなど、嚥下レベルや日々の体調を観察して栄養管理室に伝え、食事形態の変更等を柔軟に対応してもらっています。

南さん

ユニットケアのため入居者とスタッフの関わりが深く、スタッフは入居者の状態を常に把握しているため、ユニットから食事形態の変更等の要望が栄養管理室に多く届きます。栄養管理室ではその要望には出来るだけ対応できるような体制を整えていますが、ユニット内でも届いた食事を単純にお皿に盛り付けるだけではなく、大きい物はほぐしたり、入居者に盛り付けの量をききながら配膳したりと、きめ細やかな対応をしてもらっています。厨房では、食べ物が飲み込みにくい方に、見た目や、味、食感にこだわったムース食を提供しています。このようにそれぞれの部署で自分たちが出来る力を発揮しています。

行事食やイベント食などお食事の特徴を教えてください。

南さん

「敬老会」と「お正月」は行事食を提供しています。畑で育った旬の野菜を取り入れたり、5月5日の端午の節句のおやつに柏餅を提供したりと日常的に季節を感じてもらえる食事を目指しています。
近所のお寿司屋さんによるにぎり寿司の屋台を年に1回開催していただいています。普段は普通のご飯が食べにくくお粥を提供している方にも希望を伺い、参加してもらっています。

仲井さん

普段はミキサー食でも、入居者から「にぎり寿司を食べたい」との要望があった場合は、家族に同意を取り、参加してもらっています。もちろん緊急時に備え、看護師・介護士・栄養士の三者が集まりいつでも対応できるようにしていますが、事故はなく、これまでに誤嚥を起こすリスクが高いためミキサー食以外の食事形態は難しいと判断された入居者が、にぎり寿司が食べられるようになったこともありました。食べたいという気持ちがあれば食べられるようになると実感しており、当施設は入居者が「食べたい」と思う気持ちを大切に、全スタッフでその気持ちを支援できる体制を整えています。

入居者の「食べたい」という気持ちに対し、配慮されていることはありますか?

仲井さん

料理は目で楽しむと言います。ペースト状ではどのような料理かわからず、食べたいという気持ちも湧いてこないと思います。そのため、ペースト状でないと食べれない方にもまずは普通食やゼリー食など形状のある料理を目で楽しんでもらい、食べる直前にペースト状に加工するなど、「食べたい」という気持ちを持ってもらうことを大事にしています。

サラヤの「とろみ名人スーパー」をご採用いただいた経緯を教えてください。

南さん

サラヤさんより「使用量が少なくて必要なとろみが付き、品質も良いですよ」ととろみ名人スーパー(以下、スーパー)をご紹介いただき、試したところ、粉っぽさがなくゼリーのようなぷるっとした仕上がりで使用感が良かったので採用しました。
当時はとろみ剤の使用量が年々増加傾向にあり、その原因の一つとしてとろみ剤を必要以上に添加していることが考えられました。そこで、スーパーの採用を機にサラヤさんに全スタッフ向けの研修会を開催してもらいました。研修会の主目的はスーパーの使い方でしたが、スーパーは少量でとろみがつくことを認識し、適正使用が図られたこともあり、とろみ剤の全体使用量が大幅に減少しました。

「とろみ名人スーパー」から「とろみ名人マルチクイック」にリニューアルされましたが、使用感などを教えてください。

南さん

「とろみ名人マルチクイック(以下、マルチクイック)」になったからと言って入居者さんの食事摂取量に影響もなく、今までとほぼ同じように使えています。スーパーとは違い、どの食品に対しても同じ添加量で同じような状態のとろみが付くという面では、非常に便利になりました。例えば、今まではみそ汁や温かいものは冷たいお茶に比べとろみがつきにくいのでとろみ剤の添加量を増やすなど食品ごとに量を変えていましたが、マルチクイックになってからはその点、楽になりました。ただ、変更直後はユニットからマルチクイックは均一に混ざらないという声がありました。スーパーに比べ粒子が大きいためか、軽く混ぜただけではとろみ剤が下に沈んでしまうようです。しかし、小さな泡立て器を用いて撹拌することで、このような現象はなくなりました。

スーパーからマルチクイックへの変更にあたり、研修などを実施されましたか?

南さん

より少量でとろみが付くため添加量に気を付けるよう伝え、軽量スプーンを小さいものに変更、研修会は実施していません。当施設では「とろみ剤の使用基準表」というものがあります。スーパー時代に作成したものですが、これは誰もがわかる食品の状態「フレンチドレッシング状」「とんかつソース状」「ケチャップ状」「マヨネーズ状」をとろみの目安としたものです。スタッフは添加量(重量)ではなく食品の状態を目安にしているため、とろみ剤の変更により添加量が変わっても、問題にはなりませんでした。


仲井さん

ケアプランにも'とんかつソース状'などとろみの状態を記載し、誰もが同じとろみを作れるようにしています。普段と違うユニットで食事にかかわることがあっても、ケアプランを見ればいつもと変わらないとろみの状態で提供することができます。

どのような食品にとろみをつけていますか?

南さん

主に飲料と味噌汁です。とろみ剤を厨房で使用することはなく、すべてユニットで使用しています。「食べたい」という気持ちを大切にしているため、まずは料理を目で楽しんでもらい、必要に応じてユニット内で食べる直前に料理をペースト状にするため、とろみ剤を添加してもらっています。

今後の目標などをお聞かせください。

南さん

ぐれいす村に関わるみんなに助けられながら食事づくりを行っています。人と人がつながっているからこそ様々なことが実現できています。開設10年を迎えましたが、現状に満足することなくスタッフで話し合いながら入居者一人ひとりが希望する暮らしの実現を目指したいと思います。そしてこれからも走り続けます。

仲井さん

今まで施設で出会った入居者から学んだこと、それは誰もが思うことですが「食べたいときに食べたいものを、飲みたいときに飲みたいものを飲食したい」ということです。 食べたいものを安全に、そして安心して飲食していただけるよう、多職種連携しながら支援していくことが目標です。提供する側からの一方的な思いで推し進めるのではなく、相手の思い、気持ちを尊重し、ご家族にも参加してもらえるよう配慮しながら、「ティースプーンひとさじから愛をこめて」これからも支援していきたいと思っています。

編集後記

取材に訪れた日は、敷地内の畑には5000本の玉ねぎや600本のジャガイモが植えられており、窓からはそよ風とともに小鳥のさえずりが時折聞こえ、滞在は一時でしたがぐれいす村の心地良さを感じることができました。また、入居者が安心して過ごせるよう栄養士・介護士・看護師等スタッフの皆さんの連携がしっかりと取れていて、とても理想的な環境に感動しました。 南様、仲井様、お忙しい中ご協力いただきありがとうございました。
(訪問月:2015年5月)