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Dr.ヨコヤマコラム

第149回:子どもの感染症「手足口病」が大流行、手洗いや消毒など必要な感染予防対策の推進、徹底を!

 今季は、国内各地で手足口病が大流行し、7月末になっても、乳幼児を中心に多数の発症者が出ています。

 手足口病の発症者は、7月19日の時点で累計97,304人で、流行した2015年と同じペースで、発症者が増加しています(国立感染症研究所のIDWR;第28週、速報から)。患者の9割前後を5歳以下の乳幼児が占め、大人も感染しています。

 手足口病は、夏風邪の一種で、エンテロウイルス群のコクサッキーウイルス(A6、A16、A10など)や、エンテロウイルス71などが原因の感染症です。発症すると、手や足、口などに小さな水ぶくれのような発疹が出来るため、「手足口病」と呼ばれています。一度、感染しても、また感染することがあります。

 今季、流行の主流になっているウイルスは、平成23年に大流行したコクサッキーA6(CA6)と呼ばれる同じタイプのウイルスです。この他、検出例は少ないが、エンテロウイルス71と呼ばれるタイプも(発症者から)見つかっています。

 ウイルスに感染すると、2~5日の潜伏期を経て手のひらや足のうら、ひざ、お尻などに2~3mmの水ぶくれ(水泡性発疹)が出来ます。口の中にも水ぶくれが出来、ひどくなると痛みで食事が出来ず、食欲不振になることもあります。また発症時に、3人に1人程度、発熱(38℃以上)が出るケースもあります。

 手足口病は、発症後、通常、2~4日で熱が下がり、1週間程度で治癒します。数週間後に爪が剥がれたり、変形することがありますが、自然に治るので心配ありません。しかし、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こし、重症化する恐れもあり、注意する必要があります。

 咳をする男性手足口病は、感染(発症)者の咳やくしゃみの飛沫、つば、便などに含まれるウイルスが(手を介して)口に運ばれるなどして感染します。ウイルスは、子ども(乳幼児など)の間や、子どもから大人へ、大人から子供へと移りやすく、手洗いとうがいの励行や、タオルやハンカチの共用を避けるなどの対策が必要になります。国立感染症研究所も、「大人の症例は少ないが、子どもに移して感染を拡げる恐れがあり、この時期、手洗いやうがいを心がけることが大切だ」と注意喚起しています。

 咳をする男性この他、感染予防対策としてオムツ交換や排泄物(便など)は、使い捨て手袋を使用して適正に処理する、乳幼児など子どもが触れる物品類(玩具、遊具、生活用品など)は、こまめに清拭消毒するなどして、感染の拡大を防ぐ必要あります。

 手足口病は、発症しても、大抵の場合、上記したように軽い症状で済み、自然に治る病気です。発症しても、治療薬(口内の痛みを和らげる飲み薬、手足などの水ぶくれに用いる塗り薬、熱を下げるための座薬など)は不要とされています。とは言え、1)発熱が2日以上続く。2)口の中の痛みが強く、食欲不振になる。3)頭痛や嘔吐を伴って呼びかけに応えず、ぐったりするなどの症状が出た時は、早めに医療機関に受診して治療を受けたほうが無難です。

 これから先、流行のピークが過ぎても、9月頃までまだまだ多数の発症者が出て、大きな流行となった2011年と同じ規模に迫る恐れがあります。

 福祉介護施設や保育施設、家庭などで、手足口病の集団感染が起きないよう、上記感染予防対策を推進、徹底して、手足口病の発生(拡大)を防いで下さい。

(2017.8.1)

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先生のプロフィール

横山 浩

1970年 大阪大学大学院薬学研究科博士課程修了 薬学博士、薬剤師

職歴
大阪府立公衆衛生研究所(薬事指導部、現食品医療品部)
(社)大阪府薬剤師会試験検査センター
サラヤ株式会社(現在)
学会・研究会活動
日本薬学会
日本環境感染学会
日本防菌防黴学会(環境殺菌工学研究部会)環境管理技術研究会