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Dr.ヨコヤマコラム

第151回:RSウイルス感染症、発症者が急増、異例の大流行、乳幼児や高齢者は要注意、感染予防対策(手洗いやマスクの着用など)の徹底を!

 今季は、例年より早く7月中旬から、RSウイルス感染症の発症者が多発しています。8月以降、患者報告数は、急激な増加が続き、9月に入り、毎週1万人を超え、この時期として異例の大流行が続いています。

 RSウイルス感染症の発症者数は、9月17日の時点で83,328人に達して、調査が開始された2003年以降、最多報告数を更新しています。

 ここ一週間当たりの発症者数も、第37週(9月11~17日)で10,500人(前週;10,123人)が報告され、都道府県別では、大阪府が746人と最も多く、次いで福岡県(662人)、東京都(655人)、愛知県(487人)、埼玉県(445人)、兵庫県(410人)、静岡県(365人)、新潟県(348人)、熊本県(345人)の順で、多数の発症者が報告されています(国立感染症研究所のIDWR、速報から)。

 RSウイルス感染症は、乳幼児や高齢者が感染すると、重症化する恐れがあります。細気管支炎や肺炎を併発して死亡することがあります。RSウイルス感染症という病気の存在や怖さを知らない人が、まだ多くいます。発症者が多く報告されている地方自治体は、手洗いの励行やマスク着用など感染予防策の徹底を呼びかけ、体調が優れない時は、早めに受診するよう、ホームページなどで注意喚起しています。

 くしゃみする女性今のところ、発症者の殆どは、乳幼児ですが、大人や高齢者も感染(発症)します。とくに高齢者は、加齢と共に体の抵抗力(免疫力)が低下しています。素人判断で単なる"鼻風邪"と軽く見て、市販薬等に頼って様子を見ることは、非常に危険です。発症の初期段階で適切な治療を受けず、放置すると、上記細気管支炎や肺炎などを併発して死亡することがあります。2014年にRSウイルス感染症が流行した時は、茨城県常総市の介護老人保健施設で、入所者34人と職員2人の計36人が発症し、うち入所者2人(90代女性、80代男性)が肺炎などを併発して死亡しています(毎日新聞、2014年1月24日報道)。

 RSウイルス感染症による死者数は、ここ5年間で、計113人(2016年;22人、2015年;19人、2014年;22人、2013年;16人、2012年;34人)となっています(厚生労働省の人口動態調査から)。毎年20人前後の乳幼児や高齢者が死亡していますが、RSウイルス感染症の致死率は、インフルエンザより高く、10倍以上とされています。

 RSウイルス感染症は、咳やくしゃみ、つば(唾液)、痰の他、ウイルスが付着した手指や玩具などの物品等を介して感染します(飛沫感染、接触感染)。健康な大人は、ウイルスに感染しても、その殆どは症状が軽く、鼻風邪程度で治癒します。しかし、ウイルスに感染した大人が、気づかずに身近にいる人(乳幼児や高齢者など)にウイルスを移し、感染を拡げるケースが多く見受けられます。

 RSウイルス感染症の治療は、ワクチンや特効薬はなく、症状を和らげる対象療法が中心となります。体調が優れず、鼻水や咳、発熱などの症状が出た時は、早めに専門医の診断・治療を受け、重症化を防いで下さい。

 手洗いのイラストまた、RSウイルスの感染(拡大)を防ぐため、手洗い(手指消毒を含む)やうがいの励行、咳エチケットの遵守やマスクの着用、ウイルスが付着する物品類(玩具など)や手すり、ドアノブの清拭(消毒)などの感染予防対策が必要です。

 上記基本的な感染予防対策を推進、徹底することによって、RSウイルス感染症だけでなく、これから流行する感染症(インフルエンザなど)の発生(拡大)を防ぐことも可能になります。

 これから先、RSウイルス感染症の本格的な流行シーズンに入り、年末をピークに春まで流行が続く恐れがあります。

 厚生労働省の「RSウイルス感染症Q&A」を参考にしながら、上記感染予防対策を徹底して、乳幼児や高齢者がいる家庭や保育施設、幼稚園、福祉介護施設などで、RSウイルス感染症の集団感染が起きないよう、十分に注意して下さい。

(2017.10.4)

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先生のプロフィール

横山 浩

1970年 大阪大学大学院薬学研究科博士課程修了 薬学博士、薬剤師

職歴
大阪府立公衆衛生研究所(薬事指導部、現食品医療品部)
(社)大阪府薬剤師会試験検査センター
サラヤ株式会社(現在)
学会・研究会活動
日本薬学会
日本環境感染学会
日本防菌防黴学会(環境殺菌工学研究部会)環境管理技術研究会