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Dr.ヨコヤマコラム

第155回:インフルエンザ、発症者が激増、集団感染が相次ぎ、死者が発生、ワクチン接種や手洗い、消毒など必要な感染予防対策の徹底を!

今冬(12~1月)は、インフルエンザやノロウイルスなどによる感染性胃腸炎(食中毒を含む)の他、下表に示す感染症や食中毒の集団感染が、福祉介護施設や医療施設などで発生し、新聞やテレビ等で報道されています。

その中でインフルエンザやノロウイルスなどによる感染性胃腸炎(食中毒を含む)の集団感染が多く、インフルエンザの集団感染で死者が出ています。

咳をする男性

死者が発生しているインフルエンザは、昨冬と異なり、当初から原因ウイルスとして2009年に新型として流行したA/H1pdm型とB型の2つのウイルスが多く検出され、A/H3(A香港)型のウイルスも若干検出されています。このA型とB型のウイルスが混合で流行し、国内各地で猛威を振るい、A型とB型に複数回感染するリスクをもたらし、患者数を押し上げています。1度感染したからといって安心できません。

この結果、インフルエンザの発症者数が、1月21日までの1週間で、推計で283万人に上り、統計を取り始めた平成11年以降、最多となっています(国立感染研究所のIDWRから)。A型とB型のウイルスによる集団感染で、高齢者が利用する福祉介護施設や医療施設で、死者が相次いで発生しています(下表参照)。

表.今冬(12~1月)に発生した感染症や食中毒の集団感染(事例)
報道月日 報道内容
12月
  • 京都府の病院で、患者ら21人が結核に感染し、うち70代の男性患者が死亡する。
  • 東京都の特別養護老人ホームで、入所者ら79人がウェルシュ菌による食中毒を発症する。
  • 群馬県の病院で、入院患者ら30人がインフルエンザに感染し、うち入院患者1人(80代女性)が心不全を併発して死亡する。
1月
  • 福岡県の2病院で、入院患者ら27人がノロウイルスによる感染性胃腸炎を発症する。
  • 京都府の特別養護老人ホームで、入所者ら5人がインフルエンザに感染し、うち入所者1人(77歳男性)が肺炎を併発して死亡する。
  • 福岡県の医療機関で、入院患者ら38人がノロウイルスによる感染性胃腸炎を発症する。
  • 千葉県の病院で、入院患者ら45人がノロウイルスによる感染性胃腸炎を発症する。
  • 東京都の特別養護老人ホームで、入所者49人がインフルエンザに感染する。
  • 京都府の総合老人福祉施設で、利用者18人がノロウイルスによる感染性胃腸炎を発症する。
  • 秋田県の病院で、入院患者ら17人がインフルエンザに感染し、入院患者2人(70代女性、80代男性)が死亡する。
  • 秋田県の通所介護事業所で、利用者ら15人がインフルエンザに感染し、うち利用者1人(80代女性)が死亡する。
  • 京都府の老人保健施設で、入所者ら17人がノロウイルスによる感染性胃腸炎を発症する。
  • 静岡県の病院で、入院患者6人がインフルエンザに感染し、うち2人(80代と90代の女性)が肺炎で死亡する。
  • 大分県の高齢者施設で、入所者ら3人がレジオネラ症を発症し、うち入所者2人(90代の男性ら)が死亡する。
  • 岐阜県の病院で、入院患者ら20人がインフルエンザに感染し、うち入院患者1人(90代の男性)が肺炎で死亡する。
  • 岐阜県の病院の内科病棟で、入院患者ら12人がインフルエンザに感染し、うち入院患者1人(80代の女性)が死亡する、別病棟でも患者ら8人がインフルエンザに感染する。

 

昨冬も、全国の医療施設や福祉介護施設で、インフルエンザの集団感染が多発し、多くの死者が出ています(筆者のコラム;第143回)。

今冬(1~2月)も、ラニーニャ現象の影響もあってか、昨冬以上に厳しい寒さで、冷え込む日々が続くことが予想されます。インフルエンザは、これから先、A型、B型が同時に流行しながら、2月に入って流行のピークを迎え、発症者(とくに入院、重症化や死亡など)が、さらに増える恐れがあり、専門家は警戒(対策)を呼びかけています。

手洗いのイラスト

インフルエンザ感染を防ぐため、ワクチン接種に加え、不要な外出は控え、人混みを避ける、手洗いやうがいの励行、マスクの着用、咳エチケットの遵守、消毒、室内の温湿度管理、加湿器や暖房設備の衛生管理、十分な睡眠と栄養をとる、口腔ケアの日常的な取り組みなどの感染予防対策を徹底する必要があります。

福祉介護施設や医療施設は、体の抵抗力(免疫力)が低下した、基礎疾患など持病を持った高齢者が多数利用し、感染の発生(拡大)が起りやすい場所になっています。

それだけに自施設で集団感染(重症化や死亡を含む)が起きないよう、必要な感染予防対策を(組織的に、情報共有を図りながら、職員が一体となって)推進、徹底することが求められます。

厚労省の「インフルエンザQ&A(最終改定;平成29年12月7日)」や、筆者のコラム(第143回)に記された感染予防対策を参考にしながら、上記必要な感染予防対策を推進、徹底して、感染の発生(拡大)を防いで下さい。

(2018.2.1)

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先生のプロフィール

横山 浩

1970年 大阪大学大学院薬学研究科博士課程修了 薬学博士、薬剤師

職歴
大阪府立公衆衛生研究所(薬事指導部、現食品医療品部)
(社)大阪府薬剤師会試験検査センター
サラヤ株式会社(現在)
学会・研究会活動
日本薬学会
日本環境感染学会
日本防菌防黴学会(環境殺菌工学研究部会)環境管理技術研究会