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Dr.ヨコヤマコラム

第163回:風疹が流行、患者が多発。妊婦への感染防止を最優先、感染予防対策(ワクチンの接種など)」の推進、徹底を!

 今年は、国内で風疹が流行し、発症者が、首都圏を中心に多発し、流行が36都道府県に及んでいます。9月16日の時点で発症者が累計で642人と、昨年1年間の発症者数(93人)の7倍近くに達しています(国立感染症研究所のIDWRから)。
 発症者は、30~50代の男性が全体の約3分の2を占めています。この年代の男性は、国の予防接種制度が変更したため、ワクチンの接種が不十分(接種歴なし、接種歴不明)な人が多く、2回接種した人に比べ、風疹に感染しやすくなっています。

 風疹は、ウイルスに感染して、発熱や発疹などの主症状が出るまで、潜伏期間が2~3週間あります。また、ウイルスに感染しても、発症しない人も多くいます。このような人達が、風疹の感染に気づかず、医師の診察を受けるまで、自分の家庭や職場などで感染を拡げている可能性があります。
 風疹は、妊娠20週頃までの女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに難聴や心疾患、白内障などの先天性風疹症候群(CRS)の症状が出る恐れがあります。CRSは、筆者が知る範囲で、国内で下表に示す発生例が報告されています。

表.先天性風疹症候群(CRS)と風疹の発症者(報告)
西暦年 発症者数 風疹発症者数 西暦年 発症者数 風疹発症者数
2000年 1 2011年 1 378
2001年 1 2012年 4 2,386
2002年 1 2013年 32 14,344
2003年 6 2014年 9 319
2005年 3 2015年 0 163
2008年 0 294 2016年 0 126
2009年 0 147 2017年 0 93
2010年 0 87

(国立感染症研究所のIDWR、IASR;2011年9月号、平成29年度感染症危機管理研修会資料から)

 風疹の発症者が14,000人を超えた2013年は、CRS発症者が32例報告されています。今季の風疹の発生状況をみると、2013年の大流行と状況が似ており、CRSの発症者が多く出る恐れがあります。
 国は、「風しんに関する特定感染症予防指針(厚生労働省告示第122号、平成26年3月28日)」の中で、早期にCRSの発生をなくすとともに、2020年度までに風疹の排除を達成することを目標に掲げています。
 厚生労働省は、8月4日に、通知「風しんの届出数の増加に伴う注意喚起について(協力依頼)」(健感発0814第3号)を都道府県に出して、妊婦への感染を防ぐため、風疹対策の推進、徹底を要請しています。手足口病
 国立感染症研究所も、8月21日以降、6週連続で「首都圏における風疹急増に関する緊急情報」や「風疹急増に関する緊急情報」を出して、注意を呼びかけています。過去にワクチンの接種を受けていない、ウイルスに感染したことがない、抗体を保有していない人(とくに30~50代の男性で感染の経験がなく、接種の記録もない人)は、ワクチンの接種をするよう、求めています。

 CRSの赤ちゃんが生まれないよう、妊婦への感染を防ぐため、妊婦がいる家庭や、妊婦と接触する機会が多い人(職場の同僚など)、妊娠する可能性のある女性などは、感染した経験や、接種の記録が不明な場合、ワクチンの接種をしておいたほうが無難に思われます。
 風疹は、これから先、10月まで発症者が多く出る恐れがあります。人が多く集まる場所や、風疹が流行している地域などを訪れる時は、感染しないよう十分に注意して下さい。家庭や医療施設、福祉介護施設などで、風疹の発生(拡大)が生じないよう、妊婦への感染防止を最優先にして、免疫の有無を調べる抗体検査や、ワクチン接種など必要な感染予防対策を推進、徹底して下さい。
 風疹の症状や対策について、厚生労働省の「風しんについて、Q&A」や筆者のコラム(第97回第89回第79回)で記しており、参考にして下さい。

(2018.10.05)

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先生のプロフィール

横山 浩

1970年 大阪大学大学院薬学研究科博士課程修了 薬学博士、薬剤師

職歴
大阪府立公衆衛生研究所(薬事指導部、現食品医療品部)
(社)大阪府薬剤師会試験検査センター
サラヤ株式会社(現在)
学会・研究会活動
日本薬学会
日本環境感染学会
日本防菌防黴学会(環境殺菌工学研究部会)環境管理技術研究会